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コンビニやデリバリーで買えるカップ入り氷が中国でヒット商品となっている。ある報告によると、一年で最も暑いとされる二十四節気の「大暑」を迎えた7月22日前後には、カップ氷の販売量が前年同期の4.5倍となり、アルコール飲料やソフトドリンクと合わせた販売量も4倍に伸びたという。ドリンク界の新商品として注目されるカップ氷は、DIY(手作り)の楽しさで若者の人気を集め、SNSでも話題となっている。
氷の入った使い捨てのプラスチック製カップはフィルムで密封され、ふたも付いている。フィルムを剥がし、好きな飲み物を入れれば、冷たいオリジナルドリンクのできあがりだ。大手のコンビニやスーパー、茶系飲料チェーンではカップ氷が「標準装備」となり、若い世代がコーヒーや茶、アルコールなどを入れ、自作のドリンクづくりに熱中している。「普段から自分で冷たい飲み物をつくっている。氷は必需品で、好きなドリンクや果物、お酒を入れて飲む。ライフスタイルの一部になっている」。オフィスで働く趙さんは、便利で価格も手ごろなカップ入り氷を重宝しているという。
デリバリー大手の美団などが冷たいデザートや飲み物の消費傾向について調べた2023年のリポートによると、40%を超える消費者がアルコール飲料やソフトドリンク、乳製品を冷やした状態で消費しており、冷たいデザートや飲み物の消費額と消費頻度も19年比で10~15%増加している。消費習慣の変化により、冷たい飲食物はいつでもどこでも消費されるようになり、おやつなどに欠かせない必需品となっている。
カップ氷の人気を押し上げているのが、若い世代の間で浸透したSNSだ。カップ氷を使ったカクテルやドリンクはおいしいだけでなく、作る楽しみにも満ちており、写真映えもする。SNSでは創意あふれるレシピが次々と共有され、ますます多くの若者の心をつかみ、カップ氷は一躍、飲料業界のトップスターになった。
短文投稿サイトの「微博(ウェイボー)」では「誰が1杯3.5元(1元=約21円)のカップ氷を買っているのか」という話題が1億5千万回閲覧され、コメント数は2万7千件に上った。多くのインフルエンサーが活躍する「小紅書(RED)」でも、アイス・茶系飲料チェーン「蜜雪氷城」が販売するカップ氷「雪王氷杯」の「正しい使い方」、コンビニ商品でつくれるカクテルの「万能公式」など、カップ氷を使ったドリンクのアイデアを多くの若者が共有している。
広東省食品安全保障促進会副会長で食品産業アナリストの朱丹蓬氏はカップ氷の人気について、若い消費者層の「目新しさ、奇抜さ、特別さ」への欲求や共有願望が喚起されたとし、社交的属性と高い話題性を持つ新商品の追求という消費観の具体的な表れだとの認識を示した。(新華社北京)
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