シンガポールの不動産情報サイト「99.co」が同業「REA Group 」傘下の2大プラットフォームを買収 東南アジア事業強化へ

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シンガポールに本社を置くオンライン不動産情報サイト「99.co」はこのほど、オーストラリアの不動産プラットフォーム 「REA Group 」傘下の「iProperty.com.sg」(シンガポール)と「Rumah123.com」(インドネシア)を買収したと発表した。このために99.coとREA Group は新たな合弁企業を設立、REA Group が800万ドル(約8億7000万円)を出資し、 99.co が73%の株式を保有する。

2014年に創業した99.coは、今年8月、 MindWorks Venture と Allianz X がリードしたシリーズBで1520万ドル(約16億5300万円)を調達した。ちなみに、同社は、2017年にFacebookの共同創業者であるEduardo Saverin と「紅杉印度(SequoiaIndia)」がリードしたシリーズAで790万ドル(約8億6000万円)の資金を調達している。

創業者Darius氏によると、シンガポールは人口および不動産物件数は少ないが、不動産市場の成熟度は非常に高い。地元の1社のプラットフォームが約95%の不動産情報をカバーしており、仲介会社トップ4社が90%以上の市場シェアを持っているという。

不動産取引に関する制度が完備されているため、シンガポールの不動産市場には偽の物件情報が出回っていない。しかし、不動産情報プラットフォームは、検索機能が不十分で技術的に後れているだけでなく、デザインが陳腐化しており、不動産物件の写真も古めかしい。

それを刷新するため、99.co は設立当初から地図で不動産物件を探すという新しいソリューションを導入している。テクノロジーによって、より質の高い写真と情報を提供し、不動産の過去の取引価格の分析によって売主、買主双方に対して価格指導を行っている。

プラットフォームの使いやすさが功を奏し、99.co はわずか4年でシンガポールで30%以上の市場シェアを獲得した。現在のユーザー数は150万人以上に達している。99.coは、中古不動産取引に加えて、賃貸、新築物件、事業用不動産等を手がけるなど、積極的に事業拡大を図っている。

99.co

2017年、99.coはインドネシア市場への進出を始めた。インドネシアの人口は約3億人だが、不動産市場は未成熟で、東南アジアにおいて最も高い成長潜在力が期待できるとDarius氏は語っている。

インドネシアの不動産市場は分散しており、インフラが整備されておらず、業界には虚偽の不動産情報が氾濫している。99.coは、シンガポールでは不動産情報プラットフォームを運営するのみで物件の運営管理は手がけていないが、その戦略を見直し、インドネシアにおいては不動産情報プラットフォームを構築すると同時に自社保有物件の運営管理も展開している。

虚偽情報が多いという現状を受け、99.coは単なる物件紹介のプラットホームではなく、「実在する不動産物件」の仲介を行うという戦略でインドネシア不動産市場に進出している。 提携している仲介業者に対して、実在する物件の写真を規定に従い99.coプラットフォームにアップロードすることを要求している。アップされた情報が、実在する不動産であれば、その仲介業者のWebサイトの表示順位を上昇させる。その他、99.coは仲介業者に顧客管理のCRMシステムを提供して顧客獲得をサポートすると同時に不動産情報の真実性も保証している。

99.coによると、2017年以来、インドネシアでは月間アクティブユーザー(MAU)が250万人おり、そのうち70%がプラットフォームから、30%が実店舗で獲得した顧客だ。現在同社はインドネシアにおいては30%以上の市場シェアを獲得している。

収益モデルにおいて、99.coは仲介業者から不動産情報掲載料と取引手数料を徴収している。自社保有物件は売主、買主双方から取引手数料を得ている。売上高についてDarius氏は明らかにしていないが、99.coのチームスタッフは現在シンガポールに40数名、インドネシアに180数名がいる。
(翻訳・桃紅柳緑)

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