司法分野にもLLM導入。清華大発AIスタートアップ「ModelBest」、商用化を加速

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大規模言語モデル(LLM)を開発する中国のAIスタートアップ「面壁智能(ModelBest)」がこのほど、新たに数億元(数十億円)を調達した。龍芯創投、鼎暉百孚(CDH Investments)、中関村科学城、賽富投資基金(SAIF Partners)が主導し、北京市人工知能産業投資基金と清科創投(Zero2IPO Ventures)も参加した。

この資金調達により面壁智能は、エッジデバイス向けAIを代表とする高効率LLMの商用化を加速し、同じパラメーターサイズで、より高性能かつ省エネ、高速、高効率なLLMを打ち出し業界に貢献する。

面壁智能は効率化を第一に追求するLLM開発企業だ。エッジデバイス向けLLM「MiniCPM」は小型ながら高効率、低コストという優れた性能により、高効率なスパースモデリング(Sparse modeling)のアーキテクチャや、長さ無制限のテキストなどを実現した。

ある専門機関の検証データによると、MiniCPMは多くの指標でトップクラスのパフォーマンスを示している。2024年2月のリリース以降、MiniCPMシリーズのダウンロード数は累計300万件を突破、GitHubやHuggingFaceなどのLLMランキングに幾度も登場し、世界のオープンソースコミュニティーで期待の新星として注目される存在となった。

面壁智能はこの1年間で高効率LLMとエッジデバイス向けLLMの商用化を進め、急速に業界で足場を固めてきた。

エッジデバイス向けLLMについては、主流のコンシューマーエレクトロニクスや新しいハードデバイスに組み込むほか、ファーウェイクラウド(華為雲)やバイドゥAIクラウド(百度智能雲)と戦略的提携を締結し、より処理能力が高いエッジデバイスモデル、より高い演算能力とメモリ利用率、より高効率のモデルアルゴリズムとハードウェアのスケジューリングという3つの能力により、演算層とモデル層の組み合わせにおける大きな障害を解決した。

面壁智能は、大手IT企業のファーウェイ(華為技術)や聯想集団(レノボ・グループ)、インテル、自動車大手の長城汽車(GWM)、スマート照明のYeelight(易来)など業界でベンチマークとされる企業と緊密に連携し、AI電話やAIパソコン、スマートコックピット、スマート家電、エンボディドAIなど、さまざまな分野に高性能のAI機能をもたらそうとしている。

また、法律や教育など特定の分野でも、確かな自然言語処理技術と良質な業界データの蓄積を生かして、LLMにより業界を活性化しようとしている。

面壁智能は人民法院出版社、深圳迪博などと深圳市中級人民法院に協力し、一般的な民事・商事や行政の案件に関わる裁判分野で全国初となるLLMの正式な導入が2024年7月に開始された。

また、2024年11月に人民最高法院が発表した「法信法律基盤モデル」の共同研究チームのメンバーにもなった。法信法律基盤モデルは、生成AIを基盤とする国家級の法律インフラとして、デジタル時代の司法の効率と能力を高めるべく導入された。

面壁智能は一貫してLLMの効率化に取り組んできた。スケーリング則においてだけでなく、さらに高い「知識密度(モデル能力をパラメータで除したもの)」を追求して改善を続け、デバイスのスマート化をより高いレベルへと引き上げる。

*1元=約21円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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