セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
中国ロボット大手の優必選科技(UBTECH Robotics)はこのほど、産業用人型ロボット「Walker S1」の実地訓練が新たな段階に入ったと発表した。中国の高級電気自動車(EV)ブランド「極氪(ZEEKR)」の5Gスマート工場では現在、複数のロボットに連携動作させる「群知能(Swarm Intelligence:SI)」技術を活用し、数十台のWalker S1が世界初の協働訓練を進めている。
Walker S1は、最終組立や計器類の取り付け、品質検査、ドアの装着といった複雑な現場に配置され、互いに協調しながら仕分けや運搬、精密組立など多くの作業をこなしていく。
初期段階の人型ロボットは知能レベルに限界があったため、主に閉鎖的かつ単純な環境の下で訓練が進められていた。しかし、実際の作業現場は複雑で変化も多い上、複数のロボット同士がコミュニケーションしながら協調的に振る舞い、自律的に意思決定できるようにするには、極めて高い技術が必要になる。
この技術的課題を解決するため、UBTECHは独自の群知能向けソフトウエアアーキテクチャ「BrainNet」を基に、人型ロボット同士がスマートな交信・情報共有を担う「Internet of Humanoids(IoH)」を開発した。
また、世界初の人型ロボット向けマルチモーダル推論モデルを開発し、BrainNetの自律的進化を実現した。この推論モデルは、中国の人工知能(AI)スタートアップ「DeepSeek」の大規模言語モデル「DeepSeek-R1」の推論技術をベースとしており、極めて高いデータ処理能力と意思決定能力を備える。これにより、人型ロボットは人間同様の推論能力を獲得し、他のロボットと協調しながら複雑な作業をこなせるようになる。
UBTECHは複数の人型ロボットの協働訓練を通じ、データ収集と推論モデルの訓練を進め、産業向け人型ロボットの大規模活用を広げていく方針だという。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録