中国ローカルVS日系コンビニ、戦いはまだ終わらない

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20年以上にわたる中国のコンビニエンスストアの歴史は、ローカルコンビニと日系コンビニの長い戦いの歴史でもある。

1992年、コンビニの王者であるセブンイレブンが中国に初めて進出し、これが外資系コンビニの中国参入の幕開けとなった。その4年後、ローソン(中国語で羅森)が上海に最初の店舗をオープンさせ、2003年にはファミリーマート(中国語で全家)も上海に第一号店舗をオープンした。

時を同じくして中国ブランドのコンビニも出現し始めた。1993年に深圳のコンビニブランド「百里臣(POLISON)」が誕生し、その5年後には上海の「聯華快客(QUIK)」、南京の「蘇果(SUGUO)」、北京の「物美便利店(WUMART)」などが相次いで誕生した。

2018年のコンビニ店舗数では日系3ブランドがトップ10に入り、依然として大きな存在感を示しているが、状況は変化しつつある。

ブランド別コンビニ店舗数一覧(提供:CCFA)

9月下旬には、誕生からわずか31カ月のスマートコンビニ「便利蜂」の店舗数が1000店を超え、小売業界に「インターネット旋風」を巻き起こした。同じ店舗数を達成するのにセブンイレブンは十数年の歳月を費やしている。

便利蜂の台頭は、近年のローカルコンビニによる日系コンビニ包囲網の縮図と言える。

インターネット新興企業の台頭

2017年に誕生した便利蜂の創業チームはセブンイレブンとローカルコンビニ「隣家(Linjia)」の出身だ。「去哪儿(Qunar.com)」の創業者である庄辰超氏を出資者として3億ドル(約320億円)の資金を調達しており、30億元(約450億円)の資本準備金がある。目標店舗数は1万店で、近年急成長を遂げており、コンビニという業態にブームをもたらした。

新興ローカルコンビニブランドの代表格である便利蜂は日系コンビニを徹底的に研究し、PB(プライベートブランド)商品と生鮮食品の開発に力を入れており、創業当初から北京のセブンイレブンの生鮮食品提携工場である「呀咪呀咪食品」に出資している。現在、同社のPB商品と生鮮食品の比率は日系コンビニと変わらないレベルに達している。運営モデルは直営のみで、フランチャイズ経営は行っていない。

便利蜂のセルフレジとモバイル決済を用いた無人オペレーションとアルゴリズムの活用は、従来のコンビニとの大きな差となっている。便利蜂はメインシステムの演算能力、ビックデータの収集、アルゴリズムの更新に資金を惜しみなく投入している。

便利蜂は以前ある実験を行った。経験豊富なセブンイレブンの店長10人に全てのデータを渡し、1週間以内に店舗の商品のSKUを10%減らしてもらうというものだ。実験の結果、売上げが翌日にはが5%下がってしまったため、コンピュータオペレーションに戻し、同様にSKUの10%削減をさせたところ、売上の減少は0.7%にとどまったという。

大手ECの参入による競争激化

コンビニ業界に旋風が巻き起こっているのは資金の流入もその一因だが、オフライン店舗のさらなる集客を図りたいというEC企業の思惑も関係している。過去2年間でアリババ、「京東(JD.com)」、「蘇寧易購(Suning.com)」などのEC大手が相次いでコンビニ業界に参入した。2017年に営業を開始した蘇寧小店はわずか2年間で4500店をオープンさせ、その出店速度は人々を驚かせた。しかし蘇寧によるコンビニ展開はセブンイレブンなどの大手を目指しているというより、むしろ自社のビジネスエコシステムの一環としてのニーズの方が大きい。そのため最新情報によると、同社は蘇寧小店にコーヒーの販売を採り入れたとのことだ。

ローカルコンビニの攻勢に対して、日系コンビニは警戒を強めている。昨年以降、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートは中国全土における事業拡大計画を相次いで打ち出している。最近ではセブンイレブンが西安にも初進出し、フランチャイズ方式を採用して出店を加速している。

先進国の事例からすると、1人当たりGDPが1万ドル(約110万円)を超えると、コンビニは爆発的な成長期に入り、平均して3000人当たり1店の密度まで増える可能性がある。中国の1人当たりGDPは、2020年に1万ドルに達すると予想されているが、現状のコンビニ密度はこの数字からはほど遠く、出店の余地は依然として非常に大きい。

中国のコンビニエンスストアの勢力争いが最終局面に達するのはまだまだ先と言えよう。

(翻訳・普洱)

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