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北京市の経済技術開発区(北京亦荘)はこのほど、4月13日に世界初となる人型ロボットによるハーフマラソン大会を開催すると発表した。この「ロボットオリンピック」と名付けられた異形の大会は、ロボット技術の実証テストであると同時に、開発企業がその実力を披露する格好の舞台となりそうだ。
競技ルール:楽しさと挑戦が両立
人型ロボット競技の距離は、人間が走るハーフマラソンと同じ21.0975キロとなる。参加資格は、二足歩行が可能なロボットに限られ、車輪付きのロボットなどは対象外となる。ロボットの自律性については特に制限はなく、手動で制御する半自律ロボットも、完全自律ロボットも参加できる。また、開発企業はルートを事前にロボットにプログラミングすることも認められている。
ハーフマラソンとはいえ、ロボットの移動速度や航続距離、モーターの信頼性、バランス制御など、高度な能力が求められる。 制限時間は3時間30分で、時間内にゴールするためには、理論上は平均秒速1.67メートルを維持する必要がある。しかし、この水準を安定して維持するのは容易ではない。例えば、中国ロボット開発企業「宇樹科技(Unitree Robotics)」のH1モデルは秒速3.3メートルだが、同シリーズのH1-2は秒速2メートル以下で、性能は大きく異なる。
一般的な人型ロボットのバッテリー稼働時間は2〜6時間とされるが、高負荷の動作では実際の持ち時間は大幅に短くなる。イベント主催者は、競技中のバッテリー交換を許可しているが、時間をロスすることにもなる。また、起伏のある路面や横風、アップダウン、カーブなどの複雑な屋外環境は、ロボットのバランスに影響を与え、転倒して破損する可能性もある。 そのため、ロボットの交換も可能だが、交換するごとに10分間のペナルティが科せられる。
競技の観戦性や技術的な難易度の高さにもかかわらず、賞金は「ないよりはまし」という程度だ。1位5000元(約10万円)、2位4000元(約8万円)、3位3000元(約6万円)に設定されており、「完走賞」、「耐久力賞」、「人気賞」、「歩き方賞」などの賞も用意されている。企業にとっては金銭的な報酬よりも、自社技術のPR効果の方が意義が大きいだろう。
選手の実力:誰が頭角を現す?
世界範囲で見ても、Unitreeは間違いなく最も注目されている企業のひとつだ。これまで複数の展示会で競合他社の米ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)を凌駕し、多くのファンを獲得してきた。現在、人型ロボットUnitree G1、H1、H1-2の3モデルを展開しており、なかでもH1はスピードとバッテリー性能の両立で、優勝候補の筆頭である。
強力なライバルとして浮上しているのが、中国のスタートアップ「星動紀元(Robot Era)」の「星動 STAR1」だ。重量63キロにもかかわらず、屋外環境下で秒速3.6メートルの走行を実現している。
また、「北京人型ロボット・イノベーションセンター(The Beijing Humanoid Robot Innovation Center)」が開発した「天工(Tien Kung)001」も有力候補の一つ。身長163センチ、重量わずか43キロで、時速6キロを安定して走ることができる。

注目企業はそれだけではない。ファーウェイが採用した「天才少年」として知られる「稚暉君」こと彭志輝氏が立ち上げた「智元機器人(Agibot)」、どんなに押しても蹴っても倒れない二足歩行ロボットで大きな話題を集めた「逐際動力(LimX Dynamics)」、さらにはEVメーカーの「小鵬汽車(Xpeng Motors)」やロボット掃除機の「追覓科技(ドリーミー・テクノロジー)」といった異業種からの参入も見込まれる。
米NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・フアンCEOは以前のインタビューで、「ロボットは2~3年以内に大きな進歩を遂げ、自動車並みに普及する」と語った。テスラのイーロン・マスクCEOも、「自動車の10倍も普及するだろう」と予測した。
今や、中国は世界有数の人型ロボット開発大国である。多くの企業の参入や継続的な技術革新に加え、国内の成熟したサプライチェーンも、業界の急速な発展を支えている。 例えば、Unitree G1の価格は9万9000元(約200万円)まで下がり、四足歩行ロボットは1万元(約20万円)以下、将来的には3000~4000元(約6万~約8万円)までさらに値下げされる見通しだ。
このように技術の進化とコストの削減により、人型ロボットの普及は確実に加速するだろう。北京のこのハーフマラソン大会は、その未来を垣間見る貴重な機会となりそうだ。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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