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オフィスワークのデジタル化が加速する現在、パワーポイント(以下、パワポ)はもはや単なる資料作成ツールではなく、ブランド表現や社内コミュニケーション、プロジェクト発表など、企業活動に欠かせない存在となっている。しかし、多くのビジネスパーソンは依然として、効果的で見栄えの良いパワポ作成に多くの時間と労力を費やしている。
中国四川省成都市に拠点を置く「艾斯莱徳網絡科技(iSlide)」は、人工知能(AI)技術を用いた全く新しい解決策を提示しようとしている。同社が提供する「パワポ生成AI」サービスは、テーマやトピックを入力すると数十秒で魅力的なパワポを生成し、ワンクリックでスライド1枚1枚の構成やデザインを整えてくれる。
創業者兼最高経営責任者(CEO)の劉浩(Hansen)氏は、2006年にパワポデザインの分野に参入し、市場の成長と変化を見守ってきた。その過程で、大企業の決算報告であれ、スタートアップ企業の事業計画であれ、パワポデザインには常に多くのニーズがあるものの、デザインのスキル不足や時間的制約に頭を悩ませるユーザーが多いことを発見した。
これらの課題を解決するため、劉CEO率いるチームはパワポデザイン支援サービスからスタートし、徐々にアドインツールに歩みを進め、最終的にパワポ生成プラットフォームを打ち出した。2024年初めには、独自開発したパワポ用合成アルゴリズムが国家インターネット情報弁公室の審査を通過し、AI事業を本格的に開始した。
iSlideは現在、テキストやスライドの自動生成・編集・添削に加え、さまざまなファイル形式の文書を取り込み、自動解析して完成度の高いプレゼンテーションを生成する機能などを提供している。
主な機能の一つが「ワンクリック編集」だ。 出来上がったスライドに図表やアイコンを素早く挿入できるだけでなく、配色選択やレイアウトの最適化と調整もワンクリックでできる。この機能によってデザインプロセスが最大限に簡素化され、作業時間の節約につながる。また、カラーパレットや図表、アイコンなどを豊富にそろえた素材集も用意されており、ユーザーは適切な素材を気軽に選んでスライドに挿入できる。これで自作する必要も、ネットで素材を検索する必要もなくなる。
iSlideはプロのデザイナーに限らず、金融機関やコンサルティング会社の社員、教育関係者や学生といった幅広いユーザーそれぞれのニーズに対応する。プロ向けには特殊なアニメーションやデータ連携など高度な機能を提供し、高品質のプレゼン資料作成をサポートする。また、法人向けにはオンラインでのチーム協働作業やオンプレミス(自社環境)への導入などにも対応している。
劉CEOは、iSlideの強みは細部まで配慮した使い勝手の良さにあると説明する。同社はテンプレートの一括変更、アイコンの整列・均等配置、テキストに応じた図形サイズの自動調整、テキストと枠線の余白調整など、細かいところにこだわった設計で、確実な利便性を提供しようしている。
パワポ生成AI市場は競争が激化しており、競合製品も多く現れてはいるが、劉CEOは「完成度の高い製品でユーザーに満足してもらえれば、その評判は自然に口コミで伝わっていくはずだ」と自信を示す。
同社の70人のチームメンバーのうち、3分の1近くがデザイン職に就いているという。また、オリジナルデザインのテンプレートや素材1400万件以上を保有しており、ユーザーに利便性を提供すると同時に著作権侵害のリスクからも守っている。iSlideの現時点の登録ユーザーは3500万人、200以上の国・地域に広がっている。
2024年、同社はアリババグループ傘下のAIアプリケーション企業「誇克(クオーク)」から資金調達を実施した。誇克とは現在、リソースや技術面でも連携を進めている。
iSlideの次世代バージョンには、複数のAIモデルを導入し、ユーザーが自分のニーズに応じて自由に選択できるようにする計画だ。また、AIが生成したコンテンツを即座にパワポに反映できる機能にも取り組み、面倒なコピペ作業の手間をなくす方法を模索していくという。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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