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中国の自律走行搬送ロボット(AMR)大手「優艾智合(YOUIBOT)」と西安交通大学が共同で設立した「人工知能ロボティクス研究所」が3月29日、同研究所で開発した初の人型ロボットを公開した。
YOUIBOTは中国トップクラスのAMRメーカーで、半導体製造およびエネルギー関連の巡回点検などの分野で市場をリードしている。2024年11月に西安交通大学と共同でエンボディドAI分野の研究所を設立し、先進的なエンボディドAI技術の開発と応用に注力している。
今回公開された人型ロボット「天演」シリーズは全7機種。利用シーンに応じて二足歩行、ホイール、四足歩行、クローラーなどさまざまな移動方式を採用している。
そのうちのひとつ、ホイール型の人型ロボット「巡霄(Vortex)」は広く複雑な屋内環境での使用を想定しており、連続使用時間が長く動作が機敏なことが特徴だ。YOUIBOTが半導体やエネルギー分野で積み上げたノウハウをもとに、半導体製造現場のサブファブ(製造装置を支えるインフラ設備層)の維持管理やエネルギー業界での配電設備操作などに活用されている。
研究所は独自のAIモデル「一脳多態」を開発、マルチモーダルの基盤モデルと組み合わせる混合アーキテクチャを採用し、基本的な検証を完了した。
基盤モデルは視覚言語モデル(VLM)と混合専門家モデル(MoE)のアーキテクチャを採用、大量の事前学習データと専門的な実データにより複雑なタスクのシーン認識や言語理解を実現した。これにより、AIモデルに複雑な指示を出し、リアルタイム制御や品質評価ができるようになった。またマルチモーダル基盤モデルをベースに業界のナレッジグラフを統合し、スマート製造業や自動巡回点検、生活サービスなど幅広いシーンに対応できるAIエージェントのプラットフォームを構築した。
さらに開発チームは、強化学習や模倣学習、深度学習などコア技術を組み合わせ、マルチモーダルな対話、視覚・言語認識、意思決定をするAIの頭脳「MAIC(Mobile AI Comprehension)」を作り上げた。こうして、全身の関節や細かな操作をエンドツーエンドで制御できる「ボディ」と、環境に応じた「移動能力」を備えたシステムが構築された。
YOUIBOTは、同社が産業用途で培ってきた技術基盤と市場経験を活かし、エンボディドAIの実用化を加速しようとする。研究所が開発する人型ロボットを産業現場へと本格展開することで、AI×ロボティクスの次世代応用をリードしていく構えだ。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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