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Z世代を中心にブームになっている中華料理の「麻辣湯(マーラータン)」。野菜や春雨などの具材を麻辣スープで煮込んだ料理で、これまで首都圏で店舗を展開してきた麻辣湯チェーンの「七宝」「楊國福」が地方都市に出店するなど勢いを強めている。日本の食品・外食企業でのメニュー採用も増えており、4月中旬には日清食品のカップヌードルに麻辣湯が登場した。
蘭州牛肉麺に続く中華麺
日清食品が数量限定で発売した「カップヌードル 14種のスパイス麻辣湯」。唐辛子や花椒、八角などの14種類のスパイスを使った「シビ辛」の麻辣スープが特徴だという。筆者も早速食べてみた。
ふたを開けると唐辛子と八角の香りがふんわりと広がった。スパイスと調味料が混ざった独特のにおいは、中国のカップ麺を連想させる。チンゲンサイやキャベツなど野菜は他のカップヌードルよりも多めの印象。日清食品によると麻辣湯の定番具材をトッピングしているという。

見た目や香りはスパイシーだが、実際に食べてみると辛さは控えめで、激辛料理が苦手な人でも食べられると感じた。パッケージには辛さレベルが表記されているが、5段階中2なので、食べやすさを意識しているようだ。
中国料理のカップヌードルは2019年の蘭州牛肉麺(販売終了)に続いて2品目。日清食品によると麻辣湯専門店が続々とオープンするなど、話題のグルメとして注目を集めていることから、麻辣湯の商品化が決まった。
「メインのターゲットは20〜30代の女性ですが、辛いもの好きの方やカップヌードルシリーズのファンの方々など、幅広いターゲットを想定しています」(日清食品)
日清食品は「カップヌードル エスニック」シリーズとして「トムヤムクンヌードル」などを発売していたが、2020年にメニューをエスニック料理から世界各国の料理に広げた「世界のカップヌードル」シリーズとしてリニューアル。これまで同シリーズを11品展開している。

麻辣湯は麻辣スープに肉や野菜、春雨などを入れて煮込んだ料理で、調理方法が比較的簡単なことが特徴だ。中国のマーラータンチェーン「楊國福」は中国国内で6000店舗以上を展開するなど、日本で言えば牛丼屋やファミレスのようなファーストフード的立ち位置にあたる。

バーミヤンが2024年3月に台湾展(台湾フェア)で麻辣湯を販売するなど、日本の飲食チェーン店でメニューに採用される例も出始め、今後も流行りに乗ってチェーン店で目にする機会も増えそうだ。麻婆豆腐や回鍋肉などの四川料理も日本で広まるなかで日本式のアレンジ版が受け入れられていったように、麻辣湯についても今後、今回のカップヌードルをはじめとしたアレンジ版が増えていくのかもしれない。
文:阿生
東京で中華を食べ歩く会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。X:iam_asheng
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