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清華大学発のエンボディドAI開発企業「千訣科技(QJ Robots)」がこのほど、プレシリーズAで新たに資金を追加調達した。出資には鈞山投資(Peakvest)、祥峰投資(Vertex Ventures)などが参加した。今回の資金は主にコア技術のアップグレード、製品の標準化と量産化の強化に使われる。2023年6月の設立以来、すでに5回の資金調達を実施し、調達額は累計で数億元(数十億円)にのぼる。
千訣科技は、ロボットAIを手掛ける米Physical Intelligence(PI)をベンチマークにできる、中国国内で唯一の企業と称される。実環境での長時間にわたるタスク遂行能力をいち早く実現し、製品としての安定性も確保した。
ロボットの言語理解能力や推論能力は大規模言語モデル(LLM)の導入で著しく向上したとはいえ、複雑な環境認識や動的タスク計画、精緻な動作制御などでは課題が残っていた。
千訣科技が独自開発したエンボディドAIの「大脳」システムは、ロボットが単なる命令実行から脱し、自律的に認識・判断・行動できるようにした。マルチモーダルなリアルタイム認識、継続的なタスク計画、事前プログラムに頼らない自律的なタスク実行能力により、環境を問わず、プリセットなしで長時間稼働が可能になった。これは、PIが先ごろ発表した用基盤モデル「π0.5」と非常に近い思想であり、すなわち未学習環境においても複雑なタスクを完遂できる能力に重きを置いている。
実際のテストでは、千訣科技はπ0.5モデルが想定する家庭シーンよりもさらに複雑な設定を採用した。人間からの指示に対し、システムが超長時間の自律的意思決定とインタラクティブ機能を発揮し、20種類以上のハードウェアタイプに対応できる。家庭用ヘルパーロボットであれば、電力が切れるまで数時間連続稼働する能力を確認した。
創業者の高海川CEOは、「当社では人間の脳の働きから着想を得た神経推論メカニズムを使って、ロボットの意思決定の入力メカニズムを再構築した。ロボットがセンサーだけを頼りに、長時間の稼働や自律的なタスク実行をできるようにした。100種類もの開かれた環境でのデモンストレーションにおいて、システムは安定して動作し、意思決定を続け、複雑な環境でも自律的に稼働する」と説明した。
さらに、3C(コンピューター、通信機器、家電)大手メーカーと提携して、家庭内実証データから世界最大規模の学習データセットを構築し、モデルの訓練を完了している。
同社のエンボディドAIはすでに、家庭向けサービス、物流配送、商用運用など多くのシーンで安定して運用されている。また多くのトップクラスのロボットメーカーや消費者向け電子商品メーカー、IT企業などと提携しており、汎用型エンボディドAIの商用化を加速している。
*1元=約20円で計算しています
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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