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採血ロボットの開発を手がける中国スタートアップ「凱瑞医療科技(Kairui Medical Technology)」がこのほど、プレシリーズAで瀘州市双港実業から数千万元(数億円超)を調達した。調達した資金は、製品開発の加速や技術革新、人材採用、生産ラインの建設、CEマーキングの手続きに充てるという。
凱瑞医療は2022年に設立され、主力製品の採血ロボットや血液検査システムに加え、自動超音波検査ロボット、3D超音波診断ロボットにも取り組んでいる。創業者の王懿剛氏は「初代採血ロボット『M1pro』は、すでに型式検査をクリアして臨床試験の段階に入った。まもなく第三類医療機器としての登録は完了する見通しで、今後はポータブル採血ロボット『M1mini』の開発も進める予定だ」と話す。
採血を伴う臨床検査では、血管の位置が分かりづらい、正確に穿刺できない、作業効率が低いといった問題が付きまとう。特に高齢化が進む中で、現場で働く医療スタッフにかかる負担は今後さらに増加することが予想される。そこで同社は、ロボット技術に人工知能(AI)データを組み合わせた採血ロボットをリリースした。静脈検出や意思決定、機械構造、制御アルゴリズムといった中核技術においてさらなるブレークスルーを実現したという。これにより、複雑な環境でも血管の位置を正確かつ効率的に特定でき、よりスムーズな採血や注射が可能となる。
責任者は「当社の採血ロボットは類似製品よりも精度が優れている」と紹介する。2024年3月に、直径0.5ミリの新生児の肘部血管に極めて似たマウスの尾静脈を使って実験したところ、採血の成功率は95%に達した。その実験結果は、今年の「ロボット工学とオートメーションに関する国際会議(IEEE ICRA 2025)」で発表された。一方で、国際的な科学誌「Nature(ネイチャー)」のデータによると、海外の類似製品では実験成功率が最高でも83.9%にとどまるという。
王氏は「スマート採血技術の導入によって、同じ作業を何度も繰り返す医療スタッフの負担を軽減し、医療リソースの偏在を減らせるだろう。将来的には採血ロボットをベースに『スマート医療ワークステーション』を構築し、採血から検査に至る全プロセスの自動化を通じて、精密医療の利便性を多様な医療現場へと広げていきたい」と語った。
*1元=約20円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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