サッカーから陸上まで。運動する人型ロボットに強み。中国「Booster」が20億円調達

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人型ロボットを手がける中国のスタートアップ企業「加速進化(Booster Robotics)」がはこのほど、シリーズAで1億元(約20億円)余りを調達した。深圳市創新投資集団(Shenzhen Capital Group)が出資を主導し、金鼎資本(Jinding Capital)のほか、既存株主の源碼資本(Source Code Capital)と英諾天使基金(Innoangel Fund)も参加した。

加速進化は2023年に設立された。自社開発した開発者向け人型ロボット「Booster T1」は、軽量かつ堅牢な設計が特長。拡張可能な23の自由度を持ち、全方向移動や転倒後の起き上がりが可能で、環境認識や自己位置機能を備える。AI演算処理能力が200TOPSに上り、エッジ側のAIとの連携にも対応するため、開発者コミュニティから厚く支持されている。すでに米国やドイツ、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、日本などに数百台が出荷されている。

同社は創業初期から技術実証を重視しており、その一環としてロボット競技会への取り組みも進めている。例えばロボットによるサッカー競技では、AI技術や機械制御、複数のロボット同士の協調動作など、高度な複合技術が必要となる。

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2025年4月に開かれた自律移動型ロボットの能力を競う「RoboCup(ロボカップ)」ドイツオープンでは、清華大学のチーム「Hephaestus」がBooster Robotics製の人型ロボットがサッカー競技に参加し、決勝戦を9対0で制して優勝した。

2024年11月に開催された国際会議「IEEE-RAS Humanoids 2024」では、同社の人型ロボットがスプリント競技と障害物回避・ドア開閉競技でいずれも1位を獲得。米NVIDIA(エヌビディア)の2025年の新春イベントには、Booster T1が唯一の人型ロボットとして登場し、会場の案内係を務めた。T1はその場でジェンスン・フアンCEOからサインを受けるなど、大きな注目を集めた。

加速進化の創業者とチーフサイエンティストはいずれも清華大学の出身。このところ、松延動力(Noetix Robotics)や星動紀元(Robot Era)、零次方機器人(ZERITH)など、同大学関係者が設立した人型ロボットスタートアップの資金調達が相次いでいる。

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*1元=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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