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米トランプ大統領の一族が運営するトランプ・オーガニゼーションは6月16日、携帯通信サービス「トランプ・モバイル」の立ち上げと、独自のスマートフォン「T1」の予約受付開始を発表した。価格は499ドル(約7万3000円)、8〜9月の発売を予定しているという。6月16日は、2015年にトランプ氏が大統領選への初出馬を表明してからちょうど10年目にあたる。
トランプ・モバイルは、T1が米国で設計・製造した「米国製」だと強調している。金色の筐体の背面には米国国旗があしらわれ、前面には6.8インチの有機EL(AMOLED)ディスプレーとパンチホール型のインカメラを内蔵、背面にトリプルカメラを備える。OSはAndroid 15を採用、バッテリー容量は5000mAhとなっているが、プロセッサーの型番は明らかにされていない。
トランプ・モバイルの公式サイトに掲載されている端末のデザインは初期のレンダリング画像のようで、目視ではカメラレンズにセンサーが確認できず、レンズの配列も不自然だ。また、前面写真に見える音量ボタンと電源ボタンが、背面写真には見当たらない。
アップル関連情報に詳しい著名アナリストのマックス・ワインバック氏は、T1が「米国製」だとの説明は疑わしいと指摘する。T1は、中国電子機器大手の立訊精密工業(ラックスシェア)傘下の聞泰科技(ウィングテック)が製造した米通信大手T-Mobileの「 REVVL 7 Pro 5G」に酷似しており、ソフトウエアについても中国スマホメーカーの魅族科技(メイズ)が開発した可能性があるという。
実際、トランプ・オーガニゼーションはスマホ端末の設計や通信サービスには直接関与せず、「トランプ」ブランドの使用権を第三者にライセンス供与している。つまり、トランプ・モバイルも相手先ブランド製造(OEM)だとする報道もある。
ちなみに、100%米国製をうたうスマホとしては、Purismの「Liberty Phone」があるが、特注生産で2000ドル(約29万円)と高額だ。トランプ・モバイルは米国内でスマホの製造体制をゼロから構築し、T1を499ドルで発売するとしているが、業界では「事実上不可能だ」との見方が強い。T1の部品は中国・深圳の電気街「華強北」で調達し、米国で組み立てるのではないかという憶測も出ている。
*1ドル=146円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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