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中国の車載チップと自動車ソリューションを手がける「黒芝麻智能科技(Black Sesame Technologies)」はこのほど、香港取引所を通じ、低消費電力の人工知能(AI)チップを手がける中国の半導体メーカーの買収に関する意向書を公開した。
この買収が成功すれば、黒芝麻は買収先企業が保有する低消費電力AIチップ技術を吸収し、中価格帯以下の自動車に搭載する自動運転向けチップも網羅できるようになる。また、ロボット分野にも技術を活用することで、エンボディドAI(身体性を持つ人工知能)向けチップの開発をさらに進めることができる。
同社は現在、レベル2〜4の自動運転に対応する高性能AIチップ「華山(Huashan) A2000」と「武当(Wudang) C1200」を打ち出している。しかし、スマートカーの普及が進むにつれ、低コストかつ低消費電力のチップを打ち出し、レベル2の自動運転や自動駐車に対応する必要が高まってきた。
買収予定の企業は、画像信号処理プロセッサー「ISP」やAI処理専用プロセッサー「NPU」を自社開発する能力を備える。その製品はエッジAI推論に対応しており、黒芝麻の既存のアーキテクチャを補完することが期待される。
黒芝麻の2024年の売上高は前年比51.8%増の4億7400万元(約95億円)となり、粗利率も大幅に上昇した。同社は現在、複数のロボットメーカーと提携し、エンボディドAI関連のプロジェクトを進めている。今回の企業買収をきっかけに、先進運転支援システム(ADAS)にとどまらず全方位型のスマートソリューションを提供する企業へと進化し、「車とスマートデバイスの融合」でも主導権を握りたい考えだとみられる。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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