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米国時間11月12日、「華住酒店集団(Huazhu Hotels Group)」は取引時間終了後に2019年第3四半期の財務データを公表した。それによると、同グループの売上高は順調に伸びているが、利益はマイナス成長になっていることがわかった。
華住集団のホテル業務の売上高は前年同期比で19%伸び、史上最高の100億元(約1500億円)に達した。純収益は10.4%増の30.55億元(約460億円)。一方、グループの純利益は4.31億元(約65億円)にとどまり、前年同期比で35%の大幅減となった。Non-GAAP会計基準でのEBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)は8.98億元(約135億円)で、前年同期の12億元(約180億円)と比較すると25%の大幅減となった。
今年第3四半期、華住集団はホテルを548施設新規オープンさせ、現在5千以上のホテルと50万客室以上を運営している。客室数は前年比で23%増え、ミドル・ハイレベルの客室の比率は36%から45%に上昇した。施設数と客室の増加が、華住の売上高が伸び続ける原動力となった。
ミドル・ハイレベルの客室の比率の増加からすると、華住の努力は一定の成果を挙げたと言える。また、海外進出も始めており、今年はシンガポールで最初のホテルをオープンさせた。11月4日には、ドイツのホテルチェーン「ドイツホスピタリティ(DH)」の全株式を取得したと発表した。
財務データによると、9月30日の時点で、華住集団には1736のオープン予定のホテルがある。これらは契約を進めている段階か建設中で、そのうちの1648施設がフランチャイズ契約である。この数字を見る限り、フランチャイズで低コストによるシェア拡大と売上増を目指す華住のビジネスモデルは変わっていない。それに海外市場が加わってことで、新たな成長点を見出したのだ。
しかし、売上高が伸びたとはいえ、結果は増収減益となった。その要因はコストの増加だ。財務データによると、華住集団のオペレーションコストは23.61億元(約350億円)で、前年同期比で15%増えた。コスト増は主にホテルの新規オープンによる管理コストの増加による。
稼働率が落ちたことも無視できない。今四半期、華住集団傘下の営業中のホテルの稼働率は87.7%であり、昨年同期の90.7%と比べ3ポイント減だった。客室単価が239元(約3600円)から245元(約3700円)に上がっていなければ、売上高の伸びも予想を下回った可能性がある。
稼働率の低下は市場環境の変化に起因する。近年、Airbnbを代表とする民泊がめざましく発展し、同社のデータによればすでに500万もの施設を提供できており、民泊の施設数は今も増え続けている。コストパフォーマンスの高さと自由度の高い宿泊体験を武器に、民泊はホテル業にとって大きな脅威になっている。
また、ホテルチェーンOYOの成長も見逃せない。OYOは2017年末に中国に進出し、わずか一年間で7400軒ものホテルをオープンさせ、客室は34万に上り、ともに華住を大きく上回っている。OYOは格安ホテルを得意とし、華住としては警戒しなければならない相手だ。
(翻訳:小六)
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