TSUTAYA中国店舗が閉店ラッシュ、かつての“映え書店”に逆風

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カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が中国・四川省成都市で運営する「TSUTAYA BOOKSTORE 成都仁恒置地広場店」(以下、TSUTAYA成都店)の公式アカウントはこのほど、同店が8月31日をもって閉店すると発表した。

TSUTAYA成都店は2022年8月、高級ファッションブランドや飲食店が入居する複合商業施設「仁恒置地広場」にオープンした。2フロアにまたがる1600平方メートルの店内には、約4万5000冊の書籍と約100席のカフェ席が設けられていた。

中国の店舗には日本人作家の翻訳書も多く並んでいる

CCCは2020年、中国1号店として浙江省杭州市で書店やカフェが融合したライフスタイル提案型施設「蔦屋書店」を開業し、中国で1100店舗(蔦屋書店100店、TSUTAYA BOOKSTORE1000店)を展開する目標を掲げていた。デザイン性に優れた店舗は大きな話題を呼び、新規開業するたびに行列ができる人気ぶりだった。

中国の映える書店が飽きられる中、蔦屋書店が注目される理由

しかし昨年10月以降、西安、上海、天津の店舗が相次いで閉店。成都の店舗が閉店すると、中国国内の店舗数は11店舗になる。

中国メディアは西安、上海、天津の店舗について「フランチャイズ加盟店の事業調整によるもの」と伝えている。

中国の景気が減速し、商業施設間の勝ち負けも鮮明になっている。TSUTAYA成都店が入る仁恒置地広場は、ライフスタイル系の海外ブランドを多く誘致していたものの、集客に苦戦しており、CCCも撤退を決断した可能性がある。

中国各地の店舗は「SNS映えする」と評判を呼び、常ににぎわっているが、客の多くが「写真を撮るためだけに来て、実際には本やグッズを購入しない」とも指摘されていた。

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(文・浦上早苗)

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