ファーウェイが新型タブレット「MatePad Pro」とスマートスピーカー「Sound X」を発表

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ファーウェイが25日午後に行った上海での新製品発表会に、スマートフォンの新機種は登場しなかった。代わりに目玉となったのが、タブレット「MatePad Pro」とスマートスピーカー「Sound X」だ。

ファーウェイのサブブランド「honor」から発売されたスマートテレビを除き、同社のIoTデバイスはこれまで主にスマートフォンの「脇役」的な存在として発表されてきた。しかし今回の発表内容は、同社にとってのIoTデバイスの重要性が高まっており、もはや副次的な製品という位置付けを超えた、今後の成長のけん引役となりつつあることを示すシグナルとなっている。

今回発表となったのは高スペックタブレット「MatePad Pro」で、販売価格は前回発表した「M6」を約1000元(約1万5500円)上回る3299元(約5万1000円)から。これまでのタブレット製品はアルファベット「M」に数字を付したシリーズ名で、ローエンド市場を狙った2000元前後(約3万1000円)のやや安価なものだった。ファーウェイは今回新たに「MatePad」製品ラインを設け、ハイエンド市場にフォーカスした。これでスマートフォン、ノートPC、タブレットを含む同社の全てのハイエンドモデルは「Mate」という名前で統一されたことになる。

MatePad Proはパンチホールディスプレイを採用し、画面占有率は90%、カラー展開は4色。プロセッサーはMate 30シリーズと同様、Kirin 990を搭載した。最上位モデルではRAM8GB+ストレージ512GBに達し、急速充電と逆給電機能もサポート。また複数画面の連携も可能で、スマートフォン「Mate 30」やノートパソコン「MateBook」などとも同期でき、ディスプレイに最大3画面を同時に表示できる。

MatePad Proはさらに、画面を横に向けた状態で一つのアプリケーションを同時に2画面で表示できるM6の機能を引き継いでいる。コンシューマー事業部の余承東(リチャード・ユー)CEOは、現時点で150以上の有名アプリが同機能に対応しており、対応アプリ数は今後1~2カ月で3000、半年で数十万まで増えると述べている。

注目すべきは、MatePad製品ラインで初ローンチとなったのがPro版である点だ。つまり、ファーウェイは今後、標準版を発売する可能性がある。

このほか、もう一つ目玉製品がスマートスピーカー「Sound X」だ。フランスの著名オーディオメーカー「Devialet(デビアレ)」と共同開発したハイエンド製品で、重さは3.5キロと重厚感がある。発表会のステージにはデビアレ社のCEOも招かれた。

これまでのスマートスピーカーではAIおよびその接続性能に重きが置かれてきたが、Sound Xの発表に際しては、音質や性能の紹介にほとんどの時間が割かれていた。二つの重低音スピーカーを搭載、音量は同クラスの埋め込み型スピーカーの4倍、エコーキャンセリング機能による安定的でクリアな音質、レアアース(希土類)を使った強磁性体、21mmボイスコイル、360度サラウンドサウンドフィールド、40kHzの高音対応……これらの本格的な機能を搭載したことで、スマートスピーカーとしては初めてハイレゾ認証も取得している。また当然ながらスマートスピーカーとしての基本機能も欠かしていない。

中国国内のスマートスピーカー市場は主にバイドゥ、シャオミ(小米科技)、アリババの3社によって三分されており、200元(約3100円)以下の商品が主流だ。ファーウェイは昨年10月になりようやく同業界に参入したものの、最良のタイミングを逃した上に、同社の一貫したブランドイメージはメインの価格帯から外れていた。

今回のSound Xの販売価格は1999元(約3万1000円)からとハイエンド市場に特化しているが、現在のスピーカー市場のボリュームゾーンから考えれば短期的には大量販売は難しい。むしろMate Xと同様、高級イメージを確立するための試験的製品となっている。

ファーウェイはこの他にも、14、15インチのノートパソコン「MateBook D」と75インチのスマートテレビも発表した。

リチャード・ユーCEOによれば、ファーウェイのコンシューマー事業における今後の長期戦略は「1+8+N」、つまりメインの入口となるスマートフォンに加え、パソコン、タブレット、スマートテレビ、スマートスピーカー、スマートグラス、スマートウォッチ、イヤホンおよび車載装置という8つの補助製品と、スマートモビリティや映像・エンターテイメント関連などの複数デバイスがこれに加わった形となっている。さらには、これらデバイスの連携を担うチップにより、あらゆるライフシーンでのデバイス協働が実現するという。
(翻訳・神部明果)

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