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スマートフォン世界4位で2020年に日本進出予定の「シャオミ(小米科技)」は27日、2019年第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比5.5%増の537億元(約8400億円)で、伸びが鈍っている。当期利益は同1.6%増の25億元(約400億円)、調整後の当期純利益は同20.3%増の35億元(約540億円)だった。今年第1~3四半期の純利益は合計92億元(約1400億円)で、昨年1年間の額をすでに超えている。
驚くべきは、同社の看板ともいえるスマートフォン事業で売上高が減少に転じたことだ。昨年第4四半期に製品ラインアップを見直し、今年初めにRedmiシリーズをサブブランドとして独立させたときでさえ、同社のスマートフォン事業の売上高は成長を続けてきた。今四半期は5G対応機種を発表して臨んだはずだが、売上高は前年同期比7.8%減と由々しき事態を招いた。
決算発表後のカンファレンスコールで同社の周受資CFOは、「今年はちょうど4Gから5Gへの転換期であり、シャオミは安定成長の道を選んだ。キャッシュの蓄えと粗利を引き上げるため、在庫の消化を優先した」と説明している。
もう一点見逃せないのは、同社製品の平均販売価格(ASP)も1052元(約1万6400円)から1006元(約1万5600円)へと減少に転じていることだ。最近は海外事業で急速に力を伸ばしているシャオミだが、実際は価格を下げることでシェアを伸ばしていることがみてとれる。
それでも、同社製スマートフォンの売上高利益率は徐々に上昇に転じており、前年同期の6.1%から今四半期は9.0%へ伸びている。
スマートフォン事業の不振を穴埋めしたのはIoT事業だ。売上高は前年同期の108億元(約1700億円)から44.4%増の156億元(約2400億円)となっている。売上高全体に占める割合も21.3%から29.1%に伸びた。今年9月末時点で、同社のIoTプラットフォームに接続するデバイス数は、スマートフォンとノートPCを除いて前年同期比62%増の2億1000万台だった。
総売上高の3分の1を占めたのがノートPCとテレビだ。今四半期、スマートテレビのグローバル出荷台数は310万台を超え、前年同期比59.8%増となった。テレビ以外の家電も見逃せないが、具体的な業績の発表は避けた。また、家電製品と関連の深いIoT事業では、販売コストが大幅に上昇し、前年同期の97億元(約1500億円)から136億元(約2100億円)に増加した。これは同事業の売上高の伸び幅とほぼ同じだ。
インターネットサービス事業の売上高は前年同期比12.3%増の53億元(約820億円)だった。これをけん引したのが広告収入で、売上高は29億元(約450億円)だった。同時に、インターネットサービス関連の新規事業による売上高も同87.8%増加した。新規事業にはインターネットテレビサービス、海外インターネットサービス、家電や電子機器をはじめとした生活用品のEコマース「小米有品」、フィンテックなどが含まれる。
主力のスマートフォン事業の業績は理想的とは言えないが、4Gから5Gへの過渡期において、本格的な5Gスマホへの買い替えの波に乗れれば挽回の機会が訪れるかもしれない。(翻訳・愛玉)
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