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スタートアップやIT業界に特化した中国の最大級メディア「36Kr」は11月26、27日の両日、北京国際会議中心(China National Convention Center)で「2019WISE 新商業大会」を開催した。同イベントは中国ニューエコノミー領域ではもっとも盛大なカンファレンスとして今年で7年目を迎える。2018年の来場者数は約2万人だった。
36Krはこれまで10年間、中国のデジタル経済やイノベーション産業の成長に注視し、資源や情報、ブランドを介した支援によって各業界の主要企業を結び付け、ニューコマースの展開を促してきた。
今日、インターネット産業の発展は中盤に入り、新たな技術、新たなシナリオが既存産業を根本から覆し、再構築している。同社は本イベントに、世界のスタートアップ・大手IT企業・投資機関・地方政府・従来型企業などを招き、産業とイノベーションの深い融合に関連するさまざまな挑戦や好機をシェアしてもらっている。
以下は同イベントで行われた、雑貨販売で世界展開をすすめる「名創優品(MINISO)」の創業者、葉国富CEOによる講演内容の抄訳。
2012年12月、習近平国家主席が国内外のメディアとの会見で「人民のより良い生活への憧れこそが、われわれの努力目標だ」と話した内容がニュース番組で放映された。これが私の起業プロジェクトのヒントになった。より良い生活のために起業家は何をすべきか考えた。
われわれは生活に必要不可欠な生活雑貨に着目し、「全世界のあらゆる消費者がより気軽に品の高い生活を享受できるようにしたい」との初志を使命とし、社名を名創優品とした。私は2013年、日本人デザイナーと当社を共同創業し、事業コンセプトを「日本デザイン・中国製造・グローバル発信」とした。これが名創優品の始まりだ。
名創優品は2015年、創業2年足らずで世界に1300店を出店、売上高は50億元(約770億円)を突破。2018年には世界79カ国・地域に約3500店を出店、年間売上高は170億元(約2600億円)に達した。また同年、テンセントと「高瓴資本(Hillhouse Capital)」から戦略的投資を獲得した。
名創優品の急成長は「製品第一」「自営に近いかたちの加盟店」「IP(知的財産)」「グローバル化」の四つの優位性によるものだ。まず重要になるのは「製品第一」。「製品第一」を実現するため、われわれが掲げたのが高ビジュアル・高品質・高効率と低コスト・低利益率・低価格の三高三低だ。
高ビジュアル
いかにして高ビジュアルを実現するか。あらゆる製品にはデザインの統一感とシンプルさ、トレンド感が必要だ。そしてロゴも重要な要素になる。名創優品のロゴは笑顔の描かれたショッピングバッグ。一度見たら忘れられない独創的なデザインは、名創優品で買い物してショッピングバッグを手に店を出た人が、必ず笑顔になることを表している。
成功するロゴには三つの要素がある。
一つ目は、ロゴデザインが印象的であること。これで広告費を99%削減できる。名創優品はこれまでほとんど広告費をかけていない。二つ目に、ロゴにポジティブなエネルギーが込められていること。三つ目は、ブランド名の発音がしやすく、覚えやすいこと。名創優品のロゴも、英文名のMINISOも世界中の人に強い印象を与えられる。
われわれのデザインへの注力は、製品にも現れている。
ミネラルウォーター「名創氷泉」のボトルデザインには2年、製造工場を探すのに1年かけた。スリムで美しいデザインのガラスボトルの厚みは一般的なベットボトルの10倍。プラスチック臭がないため、ミネラルウォーター本来の味を楽しめる。倒れにくい形状のため、空いたボトルを花瓶として再利用することもできる。名創優品は昨年、このボトルで2018年に世界的なインダストリアルデザイン賞「iFデザイン賞」を獲得した他、20品目以上で同賞と優れたプロダクトデザインに贈られる「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞している。
高品質
高品質を実現するには優れたサプライヤーとの提携が不可欠だ。800社を擁するわれわれのサプライチェーンをきちんと管理する唯一の方法は優れたメーカーを見つけることだ。化粧品には香料メーカー世界最大手「ジボダン(Givaudan)」の香料を使うなど、われわれは業界第2位までのサプライヤーにしか照準を合わせていない。
高効率
名創優品のスピーディーな商品の刷新を「711戦略」と呼び、7日ごとに1万種の中から選び抜いた100種の新商品を発売し、新商品の発売をデジタル化して定量的に管理している。デジタル管理により、従業員3万人、製品開発担当者1000人以上のコミュニケーションコストが大幅に削減された。
名創優品とIPとのコラボ事業は2カ月で世界132カ国に広がり、57日間で1500種の商品を発売、5カ月間で全国にIPコラボの特別店500店をオープンしている。また、1億元(約15億円)を投じ、米IBMと共にSAP管理システムを構築した。
低コスト
名創優品は、メーカーからの直接買い付けと大量仕入れ、スピード決済で低コストを実現している。大量仕入れとスピード決済は、メーカーにとって極めて大きな魅力となるため、買い付け価格を抑えられる。
低利益率
低利益率は、われわれの初志どおり、消費者に手頃な価格で上質な生活を楽しんでもらうため。また「手っ取り早く儲けるのではなく、長続きする経営を」という当社の経営理念に由来する。
低価格
名創優品では90%以上の製品を49.9元(約770円)未満としている。それを上回る場合は私のサインが必要だ。消費者が買い物をする際に、値段について考えずに好きなものを選んでほしいからだ。
われわれ名創優品の四つの優位性のうち主に「製品第一」について紹介した。その他三つについても、いずれお話しするチャンスがあればと思う。
(翻訳・田村広子)
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