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化学工業の触媒反応技術にFT(フィッシャー・トロプシュ)合成と呼ばれるものがあり、一酸化炭素(CO)と水素の混合ガスを反応させて液体燃料やオレフィンなどの高付加価値化学品に変える。
中国の科学者がこのほど、新たな触媒調整・制御技術を開発し、FT合成プロセスでの二酸化炭素(CO2)の発生をほぼゼロに抑え、石油製品やオレフィンの生産性を大幅に向上させることに成功した。化学工業の低炭素化に新たな手法をもたらす成果として関連論文が10月30日、科学誌サイエンス電子版に発表された。
FT合成は石炭や天然ガス、バイオマスなどの炭素資源から石油製品、高付加価値化学品を製造する過程で重要な役割を果たし、これまでは主に鉄を触媒に用いてきた。鉄触媒は低コスト、高い石油製品の空間時間収率などの利点があり、世界のFT合成能力の3分の2以上を占めているが、反応過程で大量のCO2が発生しやすく、収率が30%に達することもあるため、炭素資源の浪費につながっていた。
中国科学院山西石炭化学研究所の温暁東教授の研究チームは、北京大学の馬丁教授のチームとの共同研究で、混合ガスに微量のハロゲン化合物(臭化メチルやヨウ化メチルなど)を導入することで鉄触媒の表面反応経路を精密に制御できることを発見。CO2を生成する反応経路を遮断し、CO2の排出ほぼゼロにした。また、同手法により、高付加価値オレフィンの生成割合が85%以上となり、業界平均を上回った【新華社北京】
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