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中国スマートフォン大手、OPPOは新型フラッグシップ「OPPO Find X9」と「OPPO Find X9 Pro」を10月28日にグローバル発表した。 日本市場では12月16日に発表会が開かれる予定だが、まだ投入機種に関しては無印と呼ばれる通常モデルか、より性能の高いProモデルか、あるいは両方を投入するかは判明していない。同社は昨年、Find X8の無印モデルを日本で発売し、約3年半ぶりにハイエンド市場に復帰したが、今回はさらにProモデル投入に踏み込むのか、戦略的な岐路に立っている。
これに対し、ライバルの中国スマホ大手、小米科技(シャオミ)は2年連続で最上位機種の「Xiaomi 14 Ultra」と「Xiaomi 15 Ultra」を日本投入している。価格は20万円近いハイエンド機にもかかわらず、日本市場に強くコミットする姿勢を鮮明にしている。
一方で、OPPOはシャオミよりも一足早く日本に進出し、2019年には「OPPO Reno A」のイメージキャラクターに指原莉乃さんを起用するなど、知名度を高め市場シェアを伸ばした。しかし、現在は世界5位のメーカーでありながら、日本市場では中低価格帯モデルが中心で、「堅実で冒険をしないブランド」というイメージが固定しつつあるのが実情だ。昨年Find X8の無印モデルを投入し、ハイエンド復帰を印象づけたものの、折り畳みのFind Nシリーズなど中国で普及する魅力的なラインナップをどう日本に展開するか、年末に向けて注目されている。
価格か、2億画素カメラか
「例年通り無印モデルのみの投入ではないか」との見方が有力だ。
日本市場では、通信キャリア経由の販売比率が高く、高価格帯では米アップルのiPhoneが圧倒的に強い。
グローバル版の価格動向を見ると、無印モデルは10万円台前半から、Proモデルは20万円前後となるケースも想定されており、冒険はせずに無印が妥当だという見方が強い。仕様面では、Proモデルは「2億画素の望遠カメラと5000万画素の2つのカメラ」「バッテリー7500mAh」「6.78インチのディスプレイ」だが、無印モデルは「5000万画素のトリプルカメラ」「バッテリー7025mAh」「6.59インチのディスプレイ」と違いがある。また、半導体チップは両方とも台湾メディアテックの最新ハイエンドSoC「Dimensity 9500」を搭載し、高い処理性能を実現。カメラは今回もスウェーデンのハッセルブラッドと共同開発している。

技術力アピール

OPPOは、中国広東省東莞市にグローバル本社を構える。今年6月に稼働した研究開発拠点「濱海湾キャンパス」は巨大施設だ。総面積93万平方メートルを超え、4000人以上が食事ができる6階建てのカフェテリアや、周辺エリアを含めると6000戸を超える宿舎などを備えて研究者らを迎え入れているという。100億元(約2200億円)をつぎ込んで建設された。
こうした施設を公開し、日本での新機種発表に先立ち、製品の作り込みの精巧さや研究開発に取り組む姿勢をアピールした。世界14位の特許取得を誇る研究開発部門を擁する中国有数の企業として、技術力の高さを強調する狙いがある。

防水試験として、オレンジジュースやコーラ、洗剤入りの水などにつけ込んだり、長時間のゲームによる発熱耐性テスト、部品の分解デモなどの視覚的に分かりやすいパフォーマンスも披露した。

また、中国国内では使えない日本版Yahooなどのアプリが正常に動くか試す実験室も公開した。棚に並べられた約2万台のスマホやタブレットが同時にテストされ、各国向けのアプリの動作検証が行われていた。同施設では、仮想専用線(VPN)なしで海外アプリを使える環境が構築されており、グローバル展開に必須となる試験だという。


さらに、金属やガラスなどの素材開発を外部メーカーに任せるのではなく自社で研究開発を積み重ねている様子や、通信関連でもさまざまな研究設備を公開した。高い研究開発能力を全面に出すことで、日本の消費者に対し、「独自の新技術を盛り込んだ付加価値の高さ」「性能に対する信頼性」をアピールする意図がうかがえる。
(36Kr Japan編集部)
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