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AIを活用した創薬ソリューションを提供する中国スタートアップ「深度智耀(Deep Intelligent Pharma;DIP)」がこのほど、シリーズDで約5000万ドル(約78億円)を調達した。鼎暉百孚(CDH Baifu)が出資を主導し、既存株主の新鼎資本(Xin Ding Capital)や紅杉中国(Hongshan、旧セコイア・チャイナ)も参加した。資金は、自律型AIが連携して臨床試験を進める「マルチエージェント協調ネットワーク」の開発・改良などに充てられる。
深度智耀は2017年設立。ここ3年で事業モデルを「単発的なAI活用」から、AI活用を前提とした「AIネイティブの臨床研究プラットフォーム」へと進化させ、1万以上の専門エージェントが連携する「マルチエージェント協調システム」を作り上げた。
創業者の李星CEOによれば、同社が提供するのは単機能のAIモジュールではなく、臨床試験のプロセス全体を連携して遂行する「AIエージェント集団」だという。
同システムは、複雑な臨床試験工程を「原子レベル」の最小タスクに分解し、個別の専門エージェントに割り当てる。エージェント同士がネットワーク状につながることで、汎用モデルを凌駕する高度な専門性を発揮する。また、人間の修正を学習してコードを自動修復する「自己反省(Self-Reflection)」機能を備え、専門家の直感に近い高度な判断能力を実現した。
この革新的な技術は、日本市場でも成果を上げている。日本の創薬ベンチャー、株式会社イムノロックとの協業では、臨床試験を事前に検証する「デジタルリハーサル」にシステムを提供した。
これまでの臨床試験計画は専門家の経験に頼る部分が大きく、論理的な抜け漏れが生じやすかった。深度智耀のシステムはデジタルツイン技術を活用し、事前にプロセス全体を仮想空間で再現・検証できるため、そのリスクを未然に回避できる。その結果、イムノロックは医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認審査を1回で通過することに成功した。
ビジネスモデルも、稼働時間に応じた従来の「人月単価」から、成果に応じた「マイルストーン達成型」へと移行し、顧客のコスト効率を高めている。一方、データの安全性については、プロジェクトごとに独立した「サンドボックス」を構築し、終了後に破棄するなど、徹底した秘匿化措置を講じている。
同社はこれまで製薬会社1000社以上にサービスを提供し、4万件超のプロジェクト実績を持つ。今後の目標は、次世代の「医薬品研究開発オペレーティングシステム(OS)」を構築することであり、煩雑なプロセスをAIエージェントが肩代わりすることで、研究者が本来のイノベーションに専念できる環境の提供を目指していくという。
*1ドル=約155円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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