AIが“買い物を完結”──アリババ「対話型AI」から「遂行型AI」への転換目指す

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アリババグループの大規模言語モデル(LLM)「通義千問(Qwen)」を基盤として開発されたAI(人工知能)アシスタントアプリ「千問(Qianwen)」は2026年1月15日、リリース後最大規模のバージョンアップを実施した。これによりアリババ傘下の電子商取引(EC)プラットフォーム「淘宝(タオバオ)」、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」、即時小売サービス「淘宝閃購(Taobao Instant Commerce)」、旅行サービス「飛猪(フリギー)」、地図情報サービス「高徳地図(Amap)」など、アリババのエコシステム事業との全面的な連携が実現。全ユーザーに向け、世界初となるフードデリバリー・ショッピング・航空券予約などAIショッピング機能の試験運用が開始された。

アリババグループの呉嘉副総裁は発表会の会場で、千問に「霸王茶姫(CHAGEE)の『伯牙絶弦(ジャスミン茶ベースのミルクティー)』を40杯注文して」と指示、数秒後には注文が確定されて決済が完了、配達員が出発し、程なくして淘宝閃購の配達員が会場にミルクティーを届けた。これはAIが最初から最後まで、人の手をほとんど介さずに取引を成立させた史上初のケースとなる。指示の理解からサービス呼び出し、注文から決済が完了する一連の流れまで、アプリを切り替えることなく、人手も介さずに全工程が自動で実行された。さらに、千問アプリで航空券を購入する場合、千問は出発時間や直行便の要望、コストパフォーマンスなどを総合的に考慮して複数の参考プランを提示し、運賃の推移分析まで行う。

グーグルは1月11日、米小売大手ウォルマートとの提携意向を発表、AIショッピング機能の模索を計画している。しかし実装速度・機能の完成度から見ると、千問の方がいち早く「AI主導の購買プロセス」の商用化を実現した。

アリババによると、今回のアップグレードでは400以上の「AIによるタスク処理」機能が追加された。狙いは、AI業界を会話中心の「対話時代」から実行中心の「タスク処理時代」へと移行させることにあるという。AIはもはや質問に答えるだけの存在でなく、ユーザーに代わってタスクを遂行できる真のデジタルアシスタントになるという位置付けだ。この方向性は、OpenAIやAnthropicなどの世界トップAI企業が積極的に模索している重点分野でもある。

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公式情報によると、千問の個人ユーザーの月間アクティブユーザー数(MAU)は、リリースからわずか2カ月で1億を突破したという。

(36Kr Japan編集部)

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