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汎用ロボットの研究開発・製造会社「逐際動力(LimX Dynamics)」がこのほど、シリーズBで2億ドル(約310億円)を調達した。アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社Stone Ventureや東方富海(Oriental Fortune Capital)、基石資本(Costone Capital)、合肥創新投資(Hefei Innovation Investment)、中信建投証券(CSC Financial)、京東集団(JDドットコム)などが主導し、上海汽車集団(SAIC MOTOR)傘下の尚頎資本(ShangQi Capital)や電気自動車(EV)メーカー・蔚来汽車(NIO)傘下の蔚来資本(NIO Capital)など既存株主も引き続き出資した。
LimX Dynamicsは2022年1月設立、広東省深圳市に本社を置き、エンボディドAI(身体性を持つAI)分野で急速に存在感を高めている。二足歩行の人型ロボット(ヒューマノイド)や四輪ロボット、関連ソフトウェアの研究開発を進め、25年には高い移動性能を持つフルサイズの人型ロボット「Oli」をリリースした。
2026年を迎えた今、エンボディドAIはまさに重要な転換点に差し掛かっている。研究室でのデモンストレーションやイベントで派手なパフォーマンスを披露するだけのフェーズは終わり、実際の産業現場で安定的に稼働し、量産可能であることが企業評価の基準となりつつある。
こうした状況のなかLimX Dynamicsは、モジュール型のAIロボット「TRON 2」と、エンボディドAI用OS「LimX COSA(Cognitive OS of Agents)」を発表した。
「TRON 2」:モジュール化設計で多様なシーンに対応
TRON 2の核心は独自に開発した“全身のモジュール化構造”だ。機能モジュールを組み換えることで、1台のロボットが両腕型、二足歩行、ホイール型などに姿を変え、細かな作業から複雑な地形の移動までさまざまな場面のニーズに応える。
例えば、家庭内での食卓の準備や、研究室でのサンプル処理といった精度の高い操作が求められる場面では、7軸の自由度を持つ両腕が人間のように柔軟かつ正確に動く。また物流倉庫の階段や屋外の坂道など、どのような地形であってもホイール移動や二足歩行で対応できる。連続4時間の稼働が可能で、可搬重量は30キログラムだ。
モジュール化設計によりハードウェアのカスタマイズコストを抑えるだけでなく、開発期間も大幅に短縮した。モジュールを組み替えることで異なる形態になるため、顧客企業は新たなタスクごとに専用のロボットを購入する必要がなく、ハードウェアの利用率が高くなる。
「Limx COSA」:ロボットの“統合頭脳”
ロボットは柔軟に動くボディに加え、強力な頭脳も必要とする。現在、VLA(Vision-Language-Action)モデルの多くは単一ステップの指示にしか対応できず、複雑なタスクを段階的に計画・実行する能力が欠けている。
業界初のエンボディドAIエージェント用OS「LimX COSA」は、統合制御の中枢として機能し、タスク理解、スキルライブラリ、基盤となる運動制御モデルを統合している。
LimX COSAを搭載したロボット「Oli」のデモでは、「受付にいる客に水を渡す」というタスクに加え、実行の途中でさらに「荷物を取りに行く」ようにも指示された。Oliはタスクの優先順位を自ら判断し、「まず水を渡してから荷物を受け取る」という順序で行動の計画を立てた。一連のプロセスは、予めプログラムされた固定の手順ではなく、自律的に判断して実行される。こうした“大脳と小脳が融合”した技術アプローチにより、自ら考え実際に動くという自律性を実現した。
海外展開も加速
LimX Dynamicsは「人の役に立つ」ことを基本とし、ビジネスシーンでの顧客の受付や案内業務、家庭内のサービスなど、人と直接やり取りし、高度な適応能力が求められる分野を重点市場とする。
海外展開においては、中国サプライチェーンのスピードとコスト競争力を活かし、開発者・顧客・販売ネットワークを含む現地エコシステムの構築を進める方針だ。技術のローカライゼーションを通じ、エンボディドAI市場の本格拡大を狙う。
*1ドル=約157円で計算しています。
(編集・翻訳 36Kr Japan編集部)
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