国有系EVとして初の香港上場、中国・嵐図汽車(VOYAH)、初日株価下落

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中国国有自動車大手の東風汽車集団傘下で、新エネルギー車(NEV)ブランドを展開する「嵐図汽車科技(VOYAH)」が3月19日、香港証券取引所メインボードへの上場を果たした。中央政府が直接管理する「中央企業」が手がける高級電気自動車(EV)ブランドとしては、香港市場への上場は初の事例となる。

株価は当日、7.50香港ドル(約150円)で取引を開始したが、終値は13.2%安の6.51香港ドル(約130円)に沈んだ。時価総額は約239億5700万香港ドル(約4800億円)となった。

今回の株式公開は、新株発行による資金調達を伴わない「紹介上場」方式で行われた。親会社である東風汽車集団は、優良なNEV資産をスピンオフ(分離独立)させることで、高成長が見込まれる中核資産を資本市場に直接送り出し、企業価値の最大化を図る狙いがある。

黒字転換黒も、補助金依存の課題

嵐図は2020年7月に湖北省武漢市で設立。2021年6月に独立した法人として登記され、独自運営を開始した。

武漢市は中国屈指の自動車産業集積地であり、2400社以上の部品メーカーが拠点を構える。この強固なサプライチェーンを武器に、2025年の同省の新エネルギー車生産台数は82万台にまで拡大している。

上場に合わせて公開された目論見書からは、同社の急速な成長スピードが浮き彫りとなっている。

販売台数の推移を見ると、2023年の5万285台から2024年には8万116台、さらに2025年には15万169台へと急増しており、72.8%の年平均成長率を記録した。これに伴い業績も大きく伸びており、2025年の売上高は348億6500万元(約8019億円)に達した。純利益も10億1700万元(約234億円)を計上し、ついに黒字転換を達成した。

しかし、この黒字化は政府補助金への依存度が高いとみられる。2025年受領額は10億8000万元(約248億円)に達しており、これを除外した実質的な経営状態は、依然として赤字構造を脱却できていない。

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グローバル展開も加速

嵐図は上場当日、5人乗りの新型電動SUV「泰山X8」を同時発表し、ラインナップの拡充をアピールした。プラグインハイブリッド(PHEV)と純電気(EV)の2モデルを展開し、業界最先端とされるファーウェイが独自開発したHarmonyOSを基盤とした車載操作システム「鴻蒙座艙(HarmonyOSコックピット)」を搭載。

嵐図の盧放董事長は、今後は海外市場の開拓をさらに推し進め、世界一流のEV企業への成長を加速させる方針を明らかにした。同社はすでに40以上の国・地域で販売ネットワークを展開しており、2030年には海外販売50万台規模の達成を目標としている。

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*1元=約23円、1香港ドル=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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