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米国のフラワーデリバリーサービス「The Bouqs(ザ・ブークス)」は今年、日本の大手パチスロメーカー「山佐(YAMASA)」による3000万ドル(約33億2000万円)の戦略的投資によって新たな資金を調達し、60億ドル(約6600億円)規模とも言われる日本の生花市場へ参入する計画だ。スタートアップ情報データベース「Crunchbase」によると、The Bouqsが調達した資金総額は、今回を含めて7400万ドル(約82億円)となり、フラワーデリバリーを手掛けるスタートアップ企業の中ではトップとなる。競合する「Urban Stems」は2700万ドル(約30億円)で2位につけている。
The Bouqsは消費者からの注文に応じて生花を配達しており、消費者がネット上で花を注文すると、当日あるいは翌日に配送される。花の供給元はカリフォルニア州の他、エクアドル、コロンビア、コスタリカで、米国各地に花を配送している。The Bouqsが一般的なフラワーデリバリーサービスと異なるのは、生産者と直接提携し、サプライチェーンを統合し、中間業者を排除してコストを削減したことだ。これによって開花期間の長い商品を提供できる。
花を購入することはいわゆる一種の「エモ消費(心を満たすための消費)」であり、消費者は祝福、感謝、謝罪などの感情を表現するために花を送る。したがって感謝祭(サンクスギビング・デー)やバレンタインデーなど気持ちを伝えるイベントに合わせた販促は、よく使われているマーケティング手法だ。また花には美しさやこまやかさというイメージがあるので、花のある生活を「美しい暮らし」として演出し、日常的な花の消費を促すのも一部の企業が選ぶ手法だ。
The Bouqsは米国市場において、「1-800-Flowers」や「FTD」などの強力なライバルと争っているが、日本市場に進出するということは、「青山フラワーマーケット」などの日本企業が同社のライバルに新たに加わることを意味する。
中国国内のフラワーデリバリー市場には、「花点時間(REFLOWER)」「FLOWERPLUS(花加)」など多くのプレーヤーが存在し、市場シェアは分散しており、消費者の立場が比較的強く、価格への圧力も強い。短期的に見れば、企業は値下げなどによってある程度の顧客を確保できるだろうが、長期的にみると顧客が留まるかどうかは、企業のビジネスモデルにかかっており、種類が豊富で品質の高い商品を提供できる企業だけが生き残るだろう。
The Bouqsのタビス(Tabis)CEOは「今回の資金によって我々のビジョンを完全に実現する。優良生産者のグローバルネットワークを構築し、専門的なサプライチェーン技術と垂直統合による仕入れ能力の構築によって、ローカルフラワーブランドとして確立していく。我々は次のフェーズの業務と、将来のあらゆるチャンスに非常に期待をしている」と述べている。
同社の次なる目標は、実店舗を展開し、ブライダルビジネスに参入することだ。ブライダルビジネスの可能性は大きく、一般的な結婚式費用において花の予算は8%を占める。もう1つの重点はサブスクリプションサービスだ。顧客の定着率を上げ、キャッシュフローの安定化に重要な役割を果たすサブスクリプションサービスに改めて注力していくという。
(翻訳・普洱)
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