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フレキシブルディスプレイを開発する中国スタートアップの「柔宇(ROYALE、ロヨル)」社が17カ月ぶりに第2世代の折りたたみスマホを発表した。
3月25日、柔宇はオンライン発表会で新機種「FlexPai 2」を発表。先代機種と同じ外折りで、開いた状態でのディスプレイサイズは7.8インチだ。FlexPai 2 はSnapdragon 865プロセッサを搭載し、ディスプレイは今回の発表会で初公開された第3世代の「Cicada Wing」フルフレキシブルディスプレイを採用。ヒンジが改善され、厚さが先代より薄くなったという。しかし詳しい数値は公表されなかった。
同社の劉自鴻CEOによると、新機種は次の四半期に正式に発売される予定。その場合、初代と第2世代の機種の間に最大20カ月の間隔が空くことになり、ほかのスマホメーカーが半年または1年毎に新製品を発表するのと比べると明らかに遅い。
注目されたのは折りたたみスマホだが、発表会の主役はむしろ第3世代のCicada Wingフルフレキシブルディスプレイだと言ってよい。
劉CEOによると、このディスプレイは20万回の折り曲げに耐えることができ、輝度、コントラスト、反応速度は第2世代のものより大きく改善されている。折り曲げ半径は1 mmだという。
ディスプレイの材料として、これまでと同じCPI(透明ポリイミド)を採用した。柔宇、サムスン、ファーウェイの初代の折りたたみスマホは、ともにCPIを採用している。超薄型ガラスと比べ、CPIは柔軟性が高く、割れにくいところが長所だが、透光性、触感、剛性において劣る。CPIを使用すると、インカメラの位置に穴を開け、そこだけをガラスに変える必要がある。
超薄型ガラスで折りたたみディスプレイを製造する技術が安定してきたため、サムスンの第2世代の折りたたみスマホと、レノボのスマホ「Moto Razr」はともに超薄型ガラスを採用している。業界関係者も、超薄型ガラスが今後の折りたたみスマホのトレンドになると見ている。
同社によると、第3世代のCicada Wingフルフレキシブルディスプレイはすでに量産化しているという。第2世代は2018年から量産化され、500社以上に供給している。そのなかにはルイ・ヴィトン、エアバス、トヨタのような世界トップクラスの企業も多数含まれている。
発表会ではまた、柔宇とZTEの戦略的提携が発表された。両社は今後折りたたみスマホを共同開発していくという。
柔宇は2018年10 月末に初代の折りたたみスマホ「FlexPai」を発表し、世界で最初の折りたたみスマホとあって注目を集めた。しかしシェアを奪ったのは大手メーカーのサムスンとファーウェイだった。
スマートフォンの本体は、もはや小規模なメーカーが戦える市場ではない。折りたたみスマホは技術的に難しく、短期間でニーズが急増することも期待できない。柔宇の第2世代折りたたみスマホも、おそらく苦戦するだろう。
(翻訳:小六)
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