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「脳型コンピューターチップ」とも呼ばれるニューロモーフィックチップはAIチップの一種であり、人間の大脳を構造レベルで模倣し、脳の神経細胞の構造と感知・認知方式を参考として設計されたものだ。
2018年1月創業の「霊汐科技(Lynxi)」は、主に脳型チップとコンピューティングシステムの開発を手がける。同社の製品は、脳型チップ、脳型チップをベースとしたFPGAおよびサーバー、ソフトウエアツールチェーンおよびシステムソフトウエアであり、2018年8月にはエンジェルラウンドで「華控基石基金(Tsinghua Technology Transfer Fund)」「優選資本(Youchoose Capital)」「清華控股(Tsinghua Holdings)」からの資金調達を果たした。
霊汐科技は清華大学脳型コンピューティングセンターによる研究成果の事業化プロジェクトとして設立され、共同創業者の施路平氏は同センターの主任を務める著名な科学者だ。施氏は2013年3月に清華大学に採用されると同センターを立ち上げ、「天機(Tianjic)」チップの開発を主導。天機は世界初の脳型回路と機械学習のハイブリッド脳型チップであり、その研究成果は2019年8月1日に英科学誌「ネイチャー」の表紙を飾った。
28nm(ナノメートル)プロセスで生産される天機チップは156の「Fコア(Functional Core)」から構成され、4万個のニューロンと1000万個のシナプスを含んでおり、大きさは3.8平方ミリメートル。同チップの特徴は、ニューロサイエンスおよびコンピュータサイエンスの両モデルのサポートに加え、ニューロサイエンスで発見された複数のニューラルネットワーク(神経回路網)とヘテロジニアスネットワークのハイブリッドモデリングをサポートする点だ。これにより高い演算力やタスク同時処理能力、低消費電力などの強みを獲得している。
同社は天機チップのほか、同チップに対応するソフトウエアのツールチェーンも開発しており、深層学習フレームワークであるCaffeやTensorFlowなどによりニューロンネットワークのマッピングやコンパイルを直接実施でき、ユーザーフレンドリーなインターフェースとなっている。天機チップはクラウドコンピューティングや端末アプリケーションにも使用でき、AIの実用や推進を後押しする。
中国の国営通信社「新華社」の報道によれば、霊汐科技は2018年、北京市中関村の国家自主イノベーションモデル展示センターで、天機チップに基づく自転車の自動運転プランを発表している。この自動運転自転車は直進、方向転換、障害物回避をしながら移動する目標物を追従でき、車体に搭載された平行センサーによりバランスを保ち、状況に応じた機敏な調整を行う。さらに音声認識も可能であり、音声指示による方向転換や加速といった複数の操作が可能だという。(翻訳・神部明果)
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