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コロナの流行に伴いWeb会議の市場が大盛況だ。1億を超える人々がリモートワークやオンライン授業などを利用し、テンセントの「騰訊会議(Tencent Meeting)」などビデオ会議ソフトが一躍人気を博し、市場が猛スピードで成長しつつある。オフィス用プラットフォームのビデオ会議機能は今や必須条件となった。
アリババ傘下の「阿里雲(アリババクラウド)」もテレワーク用の遠隔ビデオ会議ツール「阿里雲会議」を発表した。
ビデオ会議に特化した機能
阿里雲会議は騰訊会議とはやや異なり、そのカレンダー機能により、画面構成や視覚効果を向上させた。ビデオ会議に特化した同製品には、「トップページ」「会議」「マイページ」の3機能がある。
トップページには主な機能がまとまっており、上部には「会議に参加する」「今すぐ会議する」「会議を予約する」の3つのエントリーがあり、クリックするだけで会議の実施、参加、予約ができ、最大500のリアルタイム接続に対応できる。会議中には、リアルタイムでテキストによるチャット、顔文字、バーチャルメイクなどの機能も活用でき、発言者の音声を識別して発言者の画像が自動的に切り替わる。
現在のところ阿里雲会議は携帯電話番号からユーザー登録することが必要で、アリババ系列製品のアカウントを利用することはできない。
トップページの下部には、会議の全日程が時系列で表示され、いずれの会議室にも随時入室できる。
会議機能とトップページ機能は連動しており、会議のスケジュールが重複しないよう自動的に情報同期が行われる。
会議に参加するには、会議IDとパスワード入力が必要となる。会議ではマイクのミュート、カメラのオフ、バーチャルメイクの使用などが選択でき、参加後にも新たなメンバーを会議に招待できる。
マイページの設計はシンプルで基本的な個人情報だけを入力することができる。
アリババが戦列に
阿里雲会議が登場する前から、アリババの「Ding Talk(釘釘)」、バイトダンス(字節跳動)の「飛書(FEISHU、海外版「Lark」)」、ファーウェイの「Welink」などのオフィスツールにはビデオ会議機能があったが、どれもビデオ会議に特化した製品ではなかった。
コロナが流行するまで、これらのソフトはインスタントメッセンジャー、ドキュメント、クラウドストレージなどを売りにしてきた。テンセントの騰訊会議だけがビデオ会議機能を強みとしていたが、今やこれが阿里雲会議の好敵手となっている。
製品市場を俯瞰してみると、騰訊会議は、その系列製品である「WeChat(微信)」や「QQ」を利用する5億人に上るユーザーリソースを擁している。昨年には企業版WeChatが一般用WeChatと紐づけできるようになった。テンセントがこうしたリソースを活用するのは言うまでもない。
一方、阿里雲会議はその質に活路を見出そうとしている。コロナ流行が終息した後は、ユーザーは音声や画像の質を重視するようになるに違いないからだ。製品の命は何といっても音声と画像にある。優れた製品はネットワーク環境が悪くても、ディレイがない、画像がブレない、パケットロスがない、雑音がない、音声が途切れないことなどの基準をクリアすることが必要だ。
阿里雲会議の強みは世界にまたがる2800以上のCDNノードと中国全域をカバーする300以上のエッジノッドだ。これはパケットロスやジッターを減らすために不可欠な要因だ。
アリババか、テンセントか。ビデオ会議ツールをめぐる今後のしのぎ合いは見逃せない。
(翻訳・近藤)
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