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中国最大の音楽配信サービス企業「テンセント・ミュージック・エンターテイメント (TME;騰訊音楽娯楽集団)」が4月23日、長尺オーディオアプリ「酷我暢聴」のリリースを正式に発表した。同アプリは芸能人、声優、オーディオドラマのナレーターなどを迎えて制作した音声コンテンツを配信するサービスで、現時点ではオーディオ小説、昔話や童謡、トークバラエティなど19ジャンルを用意している。先日TMEとパートナーシップ協定を結んだオンライン文学プラットフォーム「閲文集団(China Literature)」も同アプリのコンテンツ制作に関わっており、酷我によれば、閲文集団が所有する小説作品『盗墓筆記』、『百夜追凶』などをはじめとする大型IPをオーディオドラマ化する企画も動き出しており、その一部は酷我が初めて配信する独占コンテンツになるという。
市場調査会社の「艾瑞諮詢(iReserch)」は以前、中国におけるオンラインオーディオサービスのユーザー数について、2018年から2023年までの年平均成長率は19%になると予測していた。今回のTMEによる酷我の立ち上げは、オンラインオーディオ業界に新たな変化が起きるきっかけになるかもしれない。TMEの月間アクティブユーザー数は2019年12月31日の時点で8億を超えており、これだけ多くのユーザーを抱えるTMEが、閲文とのライセンス契約で大型IPを独占的に音声コンテンツ化する権利を得て、長尺オーディオ分野に参入した。このことは、競合の音声コンテンツ配信勢、「喜馬拉雅(Ximalaya)」、「 蜻蜓FM(QingTing FM)」、「懶人聴書(lrts.me)」などに大きなプレッシャーを与えることになるだろう。
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