経済界の2大巨人〜ブラックストーン・シュワルツマンVSセコイア中国・ニール・シェン氏対談 「コロナ後は転機いっぱい」

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「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」の設立メンバーでグローバル部門を率いるニール・シェン(Neil Shen=沈南鵬)氏と、米投資ファンド大手ブラックストーン・グループの創業者兼CEOのスティーブ・シュワルツマン(Steve Schwarzman=蘇世民)氏が4月下旬、中国ショートムービプラットフォーム「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」でライブ配信を行った。

投資家シュワルツマン氏の新刊『What It Takes: Lessons in the Pursuit of Excellence』は、間違いなく今年のビジネス書のベストセラーになるだろう。シェン氏とシュワルツマン氏は米名門イェール大学の同窓生である。両氏は今回のライブ配信で、コロナ不況による新たな変化、中国が直面している好機と課題、そして現況で企業マネジメントと投資戦略を調整する方法について1時間近く対談した。

今どきの若者が人生の理想やキャリアの選択についてあれこれ心配することについて、2人のカリスマ経営者のアドバイスは期せずして全く同じだった。「心底好きなことをすれば、成功はあなたに近づいてくる」と言う。

以下はこの対談で両氏の語った重要な示唆について36Krが整理し、まとめたもの。

「セコイア・キャピタル・チャイナ」シェン氏

・過去10~15年で、我々が中国で成功した秘訣が何かと言われれば、中国を強くすることに徹してきたということだ。現在は、多くの産業が中国への投資を増やす好機を迎えている。特に重要なのは、テクノロジーとイノベーション関連だ。インターネット、AI、IoTなどのデジタル技術は、中国のサービス産業や製造業のさまざまな面を変革している。新型コロナウイルス感染症の蔓延を受け、これらのモデルチェンジの過程はさらに加速するだろう。また、中国の公衆衛生体系がさらに向上し、ワクチン、新薬、医療機器、医療サービスなどのヘルスケア事業はますます成長すると期待される。

・若者は自分が本当に好きなことにひたむきになり、仕事は夢中になれる業界、短期だけでなく中長期的にも発展の見込みのある業界を選ぶべきだ。

・若い起業家はこの非常事態において会社の存続に注意を集中すべきだ。会社を確実に存続させる唯一の方法は、会社のキャッシュフローを合理化することだ。

・危機は常に過ぎ去るものなので、企業は製品に集中すべきである。本当に差別化された製品は、嵐の後にあなたがより力強く市場に登場する上で助けになる。

「ブラックストーン・グループ」スティーブ・シュワルツマン氏

・中国は世界の工場であり、多くの産業のサプライチェーンはほぼすべて中国にある。今回のコロナ禍は、どの国であってもエクスポージャー(リスクのある投融資や保証の総額)を1カ所に集中させるリスクや、サプライチェーンを多様化する必要性を皆に理解させた。

・コロナ不況を脱した後、中国は世界最強の成長国となる可能性が高い。中国の経済には天然の発展アドバンテージがあり、これらのアドバンテージはまだ内在化し続ける。

・ブラックストーンには従業員が50万人いるが、当社は零細企業だとずっと思っている。私は、ブラックストーンの経営陣が毎週月曜日に必ず時間を割いて各部門の一人一人とビデオ会議を開くよう尽力している。自分の価値観や世界観を伝えるには、メールでは不十分だからだ。

・ブラックストーンの文化は傍観者を作らないことである。その場にいるならば必ず発言する、他人の考えではなく自分の考えを言わなければならない。

・我々一人一人には、自分が好きなこと、他より得意なことがある。天賦の才のある分野に居続ければ、人生はより成功するだろう。
(翻訳・永野倫子)

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