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5月8日、市場調査会社Sensor Towerが、2020年4月の中国市場モバイルゲームパブリッシャー売上高Top30を発表した。その中で、動画サイトの「ビリビリ動画(bilibili)」が過去最高の第13位になり、今年2回目のTop30入りを果たした。
この順位はビリビリ動画がパブリッシュしたゲーム「プリンセスコネクト! Re:Dive」(以下「プリコネR」と略称)が4月17日のサービス開始後に好成績を収めていることによるところが大きい。Sensor Towerの集計によると、4月の中国のiOSモバイルゲームランキングにおいて、サービス開始から2週間足らずのプリコネRが第7位となっており、それによりビリビリ動画のゲーム売上高は前月比378%増加となっている。
モバイルアプリのデータ分析を専門とする「七麦(qimai)」の集計によると、4月17日〜5月8日、プリコネRのApp Store中国エリアでのランキングは15位以内で安定しており、iOS端末でのダウンロード回数は123.6万回、売上高は1961万ドル(約21億円)に上ると予想されている。
プリコネRは、日本の大手ゲーム開発会社Cygamesが開発したもので、2018年2月に日本でサービスを開始。売上高はこれまで好調で、TVアニメも制作された。アニメはビリビリ動画でも放送され、これまで2600万回近い再生数を記録し、216万人以上が継続的に視聴している。
ビリビリ動画もこのゲームの宣伝に力を入れている。プリコネRのオープンテスト開始以降、アプリ立ち上げ時の広告、微博の検索ランキング広告、自社サイトで関連動画をおすすめ表示するなどの形でプロモーションしてきた。さらに、同社の陳睿会長が出演しているコント動画でも紹介し、サブカルファンだけでなく、より幅広いユーザーに向けて宣伝してきた。
ビリビリ動画の人気ゲームといえば、「Fate/Grand Order」(以下「FGO」と略称)だが、これ以外に有力なタイトルがないのが現状だ。2019年のビリビリ動画のゲーム事業の売り上げのうち、FGOが58%を占めている。
しかし、4年近く前にサービスを開始したゲームなので、FGOはダウンロード回数も売上高も低下している。七麦の集計によると、2017年初頭、FGOはiOSのゲームランキングで100位以内をキープしていたが、今年は100〜150位に落ち、4月17日〜5月8日の売上高は491万ドル(約5億3000万円)しかない。
2018年度の財務レポートと比較すれば、2019年のビリビリ動画のゲーム事業の売り上げ伸び率が低下していることがわかる。そのため、ビリビリ動画はFGOに代わる成長の原動力を見つけなければならないのである。
プリコネRのランキングが今後も安定するのであれば、ビリビリ動画のゲーム事業を大きく押し上げることになるのだが、果たして順調にいくのか、今後も注目していきたい。
(翻訳:小六)
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