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6月24日、テンセントスマートモビリティ事業部はオンライン発表会を開催し、IoV(クルマのインターネット)エコシステムの「TAI 3.0」、自動運転シミューションプラットフォームの「TAD Sim 2.0」、自動車のオンラインマーケティングソリューション、スマート交通ソリューションを発表した。TAI 3.0は、アップルのCarPlayと同様、運転中にも各種のスマホアプリを利用できるシステムである。
テンセントの鐘翔平副総裁によると、テンセントスマートモビリティ事業部はすでに29の自動車メーカーとパートナーシップを組み、110以上の車種にシステムを提供している。スマート交通分野では、110の都市の1.3億人の利用者向けに、切符の代わりになるQRコード、リアルタイム交通情報などのサービスを運営中だ。
TAI 3.0は、2つの車載アプリ「騰訊随行」「騰訊愛趣聴」とオープンプラットフォームからなる。それぞれの機能を見ていこう。
テンセントのIDで騰訊随行にログインすれば、SNSの連絡先やSNSアプリ「WeChat」の決済機能が利用でき、テンセントが提供する各種サービスに車内からアクセスできる。例えば運転中に近くのレストランの情報を調べたり、車載WeChatでのメッセージのやり取りをしたりすることが可能だ。騰訊愛趣聴はオーディオコンテンツを利用するためのアプリで、テンセントの音楽配信サービス「QQ音楽」、テンセントニュース、音声配信サービス大手「喜馬拉雅(Ximalaya)」などに対応している。
騰訊小場景はサードパーティが開発したアプリを最大300万以上搭載することが可能で、使用シーンの感知、LBS(位置情報に基づくサービス)などの機能を持つ。「ビリビリ動画(bilibili)」、36Krなどがすでにこのプラットフォームを使いアプリを開発している。TAI 3.0を使った場合、新規アプリはわずか2カ月の開発期間でクルマに実装することが可能だ。
テンセントの発表会の前日、アップルはiPhoneをクルマのキーの代わりに使用できる「CarKey」を発表した。テンセントも同様の機能を開発しており、「長城汽車(Great Wall Motor)」のSUV「Haval F7」を使用したデモンストレーションにおいて、WeChatでのカーエアコン操作、ドアの開け締め、燃料残量警告、決済機能などを実演した。
自動運転シミュレーションプラットフォームのTAD Sim 2.0は、すでに中国の「国家スマートコネクテッド(長沙)テストセンター」と、公安部交通管理科学研究所で使われている。テンセントの自動運転担当総経理の蘇奎峰氏によると、TAD Sim 2.0は新たなアーキテクチャーによってデータ送信能力が10倍向上し、リソース使用率を30%減らすことができるという。
テンセントのスマートモビリティ事業部は、モビリティのほかにIoV、自動車向けクラウド、自動運転、スマート交通など事業を担当している。蘇奎峰氏によると、これらの事業の9割以上が当該事業部内のメンバーで対応できるという。
2020年の上半期に、アップルやTikTokを運営する「字節跳動(バイトダンス、Bytedance)」など、複数のインターネット大手が車載コンテンツやアプリの開発を加速させた。中国最大級のオンラインエコシステムを持つテンセントも、今後さらに攻勢を強化していくことだろう
(翻訳:小六)
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