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「2019年中国ペット業界白書」によると、中国でペットとして飼われる犬・猫は計9915万匹に上る。一方、ペット専門獣医師のための学習・交流プラットフォーム「知寵百科」はペット専門獣医師の数をわずか10万人ほどと推定している。平均すると1000匹のペットに1人の獣医師という比率になり、不均衡は明白だ。
知寵百科は2019年10月1日の開設以降、中国全土の動物病院と獣医師のために学習コンテンツを提供し、すでにライブ学習機能や症例データベースなどをローンチしている。現在は3000軒の動物病院と1万人の獣医がサービスを利用している。
獣医は普通、4年制大学で学んだ後、2~4年の実習を経て一人前になれる。しかし現在の制度では、大学を卒業し、就業許可証を取得したとしても、実戦で直面する問題の80%は未知の問題だ。
同社創設者、李燕軍CEOによると、人材不足とコストの問題により獣医師の負担が大きくなっている。現行の学習プラットフォームはビデオ学習が主で、費用も高く、視聴に時間もかかる。獣医師たちは低費用で高効率な学習を求めている。
このようなニーズを踏まえ、3つの機能を持つWeChat(微信)のミニプログラムが開発された。
(1) すでに公開されているカリキュラムを一手に集め無料で開放。現在は2000時限の課程利用が可能で、さらに4000時限の課程も準備中だ。
(2)10万件以上の症例を集めたデータベース。学習と検索時間を節約するため、米国の症例を基準に形式を統一した。ユーザー自身が症例、診断結果、治療法、処方などの情報をアップロードしてシェアすることもできる。特定分野の医師と契約し、診断や処方のサービスも行っている。
(3) ライブチャンネルによる新薬、設備、用品などの発表。
同プラットフォームでは、ユーザーの利用率を高めるために、ポイント制を採用し、学習時間に応じてクーポンと交換できるようになっている。現在の収入は広告と情報提供への支払いだが、将来的にはターゲットを絞りペット用品のEコマースを開拓する方針だ。
知寵百科はまた獣医師たちの口コミやコミュニティを利用したマーケティングを行っている。現在のユーザーは約6割が3級以下の地方都市の獣医師だが、今後はさらに小規模な地方都市のユーザーを開拓していく方針だ。地方都市においても1・2級都市のような大都市と同様、ペット市場が拡大しているにもかかわらず、経験豊富な獣医師が少ない上、、動物病院や獣医師が情報を取得するチャネルも限られていることが、地方都市をターゲットとする理由だという。
(翻訳・近藤)
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