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テレビ、炊飯器、エアコン、冷蔵庫に始まりロボット掃除機に至るまで、日常生活に登場するスマート家電はますます増えてきたが、真に「スマート」な生活への道のりはまだまだ遠い。「スマート」な生活を実現するには「スマート執事」が必要だ。
執事不在のスマートホームシステム
「住人がドアを開けたら、スマートホームシステムが主人の帰宅を検知し、換気扇をつけエアコンのスイッチを入れる。寒い日にお風呂に入る時は、浴室暖房が自動的につく。食事をする時はダイニングルームの明かりが自動で点灯し、洗濯物を干そうと思ったら物干し竿が自動で降りてくる。ベッドに入ればカーテンが自動で閉まり、すべての部屋の映像監視システムが自動で始動する」
これが我々が想像するスマートな生活だ。日常生活の家事の80%は電化製品や家具の自己学習によって自動で完了できる。
しかしこれは単なる理想なのかもしれない。スマートホームシステムが主体的にサービスを行うには、部屋の至る所にセンサーが必要となる。温湿度センサー、人感センサー、ドアや窓の開閉センサー、光センサー、そして欠かせないのがスマートテーブルタップだ。これらのあらゆる小型装置をユーザーが自分で組み立て配置する必要がある。
それだけではなく「執事」の役割を果たすスマートスピーカーは長時間の学習を経て初めて連続した会話が可能となり、音声による応答もスムーズにできるようになる。本当の意味でのスマートホームを実現することは、単にいくつかのスマート機器を買うような簡単なことではない。
シャオミ(小米科技)の最新の四半期決算報告によると、シャオミのIoTプラットフォームに接続する機器を5台以上所有するユーザーは、前年同期比47.9%増の460万人となり、同社のAIアシスタント「小愛」のMAU(月間アクティブユーザー数)は、前年同期比54%増の7050万人に達した。しかしユーザーが困惑するのは、さまざまなスマート機器間の接続方式がWi-Fi、Bluetooth、Zigbeeなど多様かつ複雑で、家中のあちこちに散らばるスマート機器を一括管理する能力を持った「執事」が、シャオミのスマートホームシステムには存在しないことだ。これはシャオミのスマート機器がまだ十分にユーザーを獲得できない大きな要因の1つだ。
シャオミの競合となるファーウェイのサブブランド「栄耀(Honor)」は、スマートホームシステムの中でHiLinkによる共通の通信プロトコルを確立し、「執事」の役割をスマートルーターに設定した。しかしHonorの共通通信プロトコルのエコシステムはあまりにも閉鎖的で、製品ラインアップもシャオミ製品の豊富さと多様さには到底及ばない。
アリババの「天猫精霊(Tmall Genie)」はスマートスピーカーとして、多くのブランドを取りまとめるメインの「スマート執事」になろうとしているが、巨大なエコシステムを育てるにはまだ時間がかかる。現在、スマートテレビ、スマートスピーカー、スマートルーターなどをスマートホームを管理する「執事」にすべく試みられているが、どれもまだ十分な能力を発揮できてない。さらにスマートホーム市場は価格競争の波にのまれ、足踏みをしている。
デファクトスタンダードになるのはどの企業か
今後も長期に渡って、中国のスマートホーム市場には標準的な通信プロトコル、つまり統一された「スマート執事」は確立されないだろうが、スマートホーム市場が大きく繁栄するためには、究極的な選択を避けては通れない。
これはスマートホーム機器を手掛ける多くの企業にとってある種の賭けである。シャオミには事業規模があり、アリババにはビジネス基盤があり、Honorには通信技術があり、それぞれが今後のスマートホーム市場の発展形態を代表している。問題はどの形態が最も早く発展し、誰が将来のスマートホーム市場で主導権を握るのかということだ。
スマート家電の発展の方向性については、目下のところ国内外で参考になる先例がなく、アップルのHomekit、アマゾンのスマートスピーカーEcho、GoogleのGoogle Homeもそれぞれ独自に発展している。
しかしスマートホーム市場は急速に拡大しており、 米調査会社ストラテジー・アナリティクスによると2019年に消費者がスマートホーム関連のハードウエア、サービスおよびインストールに費やした支出は1030億ドル(約11兆500億円)に達し、この金額は今後毎年少なくとも11%以上の割合で増加する。さらに2023年末までには64億台以上のスマート機器が利用されるようになり、各家庭には平均して21台のスマート機器が導入されるようになるとのことだ。
作者:新零售商業評論(WeChat ID:xinlingshou1001)、章蔚瑋
(翻訳・普洱)
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