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ダイエットミールのサブスクリプションサービス「咚吃(Dongchi)」がシリーズAで「熊猫資本(Panda Capital)」から数千万元(数億円)を調達した。
ダイエット市場には置き換えダイエット飲料、ダイエットミール、プロテインバー、サラダなどさまざまなタイプの商品があふれているが、咚吃の最大の特徴は、ダイエットメニューに見えない満足感のある食事を提供することだ。オンラインで好みのプランを申し込むと、調理済みの食事がクール便で自宅に配送される。電子レンジや湯煎で解凍するだけという手軽さだ。同社によれば、これまでに累計で十数万人が利用しているという。
味気ないダイエット食品との差別化
創業者の兪立徳氏は咚吃の立ち位置を減量目的と定めている。米国発の健康食品企業「ハーバライフ(Herbalife)」に代表されるプログラム型の減量法や、ここ数年急増した新ブランドはいずれも、1000億元(約1兆5000億円)規模を誇る中国のダイエット市場において、十分に浸透しているとは言いがたい。ダイエット市場や消費者の意識の変化に伴い、咚吃はかゆいところに手が届くサービスとして今後の成長が期待されている。
咚吃は栄養価を考えた1日3食のメニューを提供しており、食物繊維やタンパク質が豊富で、毎食異なるバラエティー豊かな食事を楽しめる。1日の摂取カロリーは、消費カロリーより少ない1000~1200キロカロリーほどに抑えられているため、効果的に体重を減らすことができる。価格はプランによって異なるが、1日当たり70元(約1000円)前後だ。
味気ない置き換えダイエットと比べて、きちんとした食事をとるダイエットプログラムの場合、我慢を強いられることなく効果が上がるので利用者の脱落も少ない。目標を達成しやすいため、リピート率も向上する。
コールドチェーンを生かして全国展開
2017年の設立当初から、創業者の兪氏は全国展開を決意していた。減量に励む人は極めて多いため、その巨大なロングテール市場に目をつけたのだ。
とはいえ、全国展開を進める上ではサプライチェーンの効率化が大きな課題となる。利用者にとって重視すべきポイントが減量効果であるなら、企業にとって重要なのは生産、物流、配達の各プロセスだ。
また毎食異なる食事内容を提供するためには豊富なメニューを揃える必要があり、21日間プランでは品数が相当数に上るため、料理の種類を増やすことも初期の課題だったという。
全国配送と種類豊富なメニューという2つの課題を解決したのは冷凍技術だったが、全国配送のためにはコールドチェーンの構築が不可欠で、コストは増大した。
コールドチェーンや冷凍技術の進歩に支えられ、咚吃はコスト面や事業規模の最適化を続けてきた。同社のデータによれば、現時点で咚吃のメニューは100種類を超え、全国15カ所に低温倉庫を保有しているという。サービス規模が拡大するにつれて、受注から配送に関わる一連の業務コストは縮小しており、毎週2回という同社の配送コストは通常の冷凍食品の半分、常温食品並みに近づいている。利用者が支払う1日当たりの価格で見ても、フードデリバリーサービスに十分対抗できるレベルだ。
また、種類豊富なメニューが利用者の定着率と客単価にもつながっている。咚吃では3日間プランと21日間プランを用意しているが、最初から21日間プランを購入する新規顧客数がお試しプランの購入者数を上回っている。オンライン注文の客単価は3000~4000元(約4万5000~6万円)で、10週間以上継続して購入する顧客が20%を超えている。
これまでは口コミや自然流入による新規顧客の増加が大半だったが、今回調達した資金でブランディングやマーケティングを強化するほか、ITシステムの整備を進めてサプライチェーンの改善を図るという。
(翻訳・畠中裕子)
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