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顔認証のFace++で知られる、世界有数の人工知能ユニコーン企業「MEGVII(曠視科技、メグビー)」は、香港証券取引所にIPOの目論見書を提出してから1年近くが経ったが、未だ上場には至っていない。
このことについて、7月29日に開かれた中間報告会において、メグビーの共同創業者兼CEOの印奇氏は、昨年から今年にかけて国際環境が大きく変わり、またキャッシュ・フローが潤沢ということもあり、上場を急いでいるわけではないと話した。
ビジネスメディア「晚点(LatePost)」は今年6月、メグビーは香港での上場を取り下げ、今後香港市場と大陸のA株のどちらで上場するかを検討しなおすと伝えた。印奇氏はこの報道を否定したうえで、科創板(スターマーケット)での上場については、「科創板は技術に強い企業の上場を特に奨励しており、中国のテック企業にとっては非常に魅力的だ。当社も前向きに考えている」と話した。
メグビーは2011年10月に設立され、アルゴリズム、プラットフォーム、アプリケーションと、AI機能を備えたIoT設備の販売などを行っている。同社がIPOを申請したのは2019年8月25日であり、AI企業の初のIPOとして大きな注目を集めていた。
しかし、2019年10月8日、米国商務省は同社を含む28の中国企業を輸出管理規則に基づく「エンティティリスト」に追加し、米国からの部品調達を禁止した。また、同年11月、メグビーは香港証券取引所IPO委員会の審査を通過できず、資料をさらに追加提出するよう求められた。
多くの資金を必要とするAI業界において、IPOが頓挫した場合、影響はどの程度になるのだろうか。
印奇氏は、メグビーのキャッシュ・フローは潤沢だと話していた。目論見書によると、2011年10月の創業以降、同社は9回の資金調達を行っている。筆頭株主はアリババグループで、持株比率は29.41%である。
収益状況を見ると、2016〜2018年、そして2019年上半期の売上高は6780万元(約10億円)、3.13億元(約47億円)、14.26億元(約210億円)、9.49億元(約140億円)であり、赤字は3.42億元(約50億円)、7.58億元(約110億円)、33.51億元(約500億円)、52億元(780億円)であった。
メグビーの説明によると、赤字は優先株の公正価値の変動と開発費によるものだという。経常外損益を除いた場合、同社の2016年と2017年の赤字はそれぞれ9195万元(約14億円)、1.42億元(約20億円)となり、2018年と2019年上半期は3219万元(約4億8000万円)と3267万元(約4億9000万円)の純利益を上げていることになる。
各メディアの報道を見る限り、メグビーは科創板での上場を目指すことになりそうである。1年間の発展を経た科創板には、すでに多くのテック企業が上場しており、メグビーはこの市場の特色に合致している。メグビーにとっても、香港で上場できないとなれば、科創板がもっとも現実的な選択肢となるだろう。上場は企業経営の目的ではないが、メグビーのように創業以来外部からの投資を受け続けてきた企業は、必然的に上場を目指さなければならないことになる。
(翻訳:小六)
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