注意欠陥・多動性障害患者に最適治療プラン オンライン医療サービス「方寸医生」

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注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder、ADHD)は脳神経の発育と関係のある疾患だ。集中できない、落ちつきがないのが病気の特徴で、学習困難、成績の低下を招き、患者は自尊心が傷つき、進学や就職に影響することもある。

「中国注意欠陥・多動性障害予防および治療のガイドライン」によると、中国での罹患率は5~10%で、患者数は2300万人前後だが、受診率は約10%にとどまり、正規の治療を受ける患者は3分の1しかいない。背景にあるのは、ADHDに対する認識不足と医療資源の供給不足だ。

オンライン医療サービスを提供する「方寸医生(FANGCUN DOCTOR)」は、ADHDと診断された患者を対象に、オンラインでのカウンセリングや再診、治療薬の処方薬を行うほか、リアルでも療育センターを開設している。

創業者の陳翔氏によると、ヒトの脳は複雑なため、脳疾患の診断は評価スケールに頼るよりは感覚や経験によって判断することが多い。ADHDでも各段階の治療やデータが共有されることはなく、治療効果は薄く、最適な治療を行うのが難しかった。

これに対し、方寸医生はオンラインとオフラインを融合させた(OMO)モデルにより診断後、投薬(医師)、行動介入(病院、機関)、器械(リハビリ機関)など各段階のデータをつなぐため、各段階での様子とベースラインの差を比較したうえで、本人に最適な介入方法を見つけられる。

方寸医生プラットフォームで活動する医師は全業界の15~0%で、利用する患者はADHDと診断された患者の50%にあたる5万人前後だ。同社の売上高はここ3年近くで200%以上伸び、2019年の処方薬の売上高は約5000万元(約7億6000万円)だった。

陳氏は業界の成長性について、中国では薬物治療より行動療法のほうがより受け入れられており、行動療法市場の平均客単価は現在、患者一人当たり年1万~1万5000元(約17万~25万5000円)だ。さらに薬品市場の規模も加えると、今後5年でADHDの市場規模は年間100億元(1700億円)以上になると指摘する。

陳氏は、脳科学の分野はVRやARの活用など新しい治療法方法の模索を続けており、方寸医生も最新技術の進歩に伴い、脳科学の別の疾病分野への対応も模索すると強調した。

創業者の陳翔氏は北京大学医学部卒業で、中国検索大手百度(バイドゥ)の医療事業部の製品・運営シニアマネージャー、ネット医療ユニコーン「好大夫(Haodf.com)」フォローアップ業務部責任者、米国発SNS「MySpace」の中国CTO、アリババ技術責任者、Yahoo!中国技術責任者などを務めた。

方寸医生は次の資金調達をスタートさせた。これまでに「順為資本(Shunwei Capital)」、「凱風創投(Cowin Venture)」、「新浪基金(Sina Fund)」などから出資を受けている。

(翻訳・二胡)

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