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植物肉市場の成長が続いている。バークレイズのレポートでは、2019年の全世界の食肉市場は1.4兆ドル(約150兆円)に達しており、植物肉はまだその1%にすぎないが、2029年には、10%にまで伸びると予測している。
この市場を狙い、近年世界各地に植物肉、代替肉のメーカーが誕生した。有力企業の一つに、米国の「ビヨンド・ミート(Beyond Meat)」がある。昨年の業績は664.9万ドル(約7億円)の最終赤字となった同社だが、今年第1四半期に9710万ドル(約100億円)の売上高を記録し、前年同期比141%増となっており、181万ドル(約1億9000万円)の純利益を上げた。同社の商品は、すでに75カ国の9万4000店舗で販売されているという。
ビヨンドミートは中国を重要市場と位置づけており、同社のCGO(最高成長責任者)のチャック・ムース氏が、取材において中国市場に対する認識を語ってくれた。
ムース氏は、まず、中国の人口の多さと、中国の消費者の植物性食品への関心の高まりを指摘した。そのうえで、ビヨンド・ミートのターゲット層はいわゆるヴィーガンやベジタリアンではなく、肉食を好むと同時に、健康、気候変動、環境問題、動物の福祉に関心のある消費者だと話した。
自社に強みについて、ムース氏は技術力を挙げた。ビヨンド・ミートは現在牛肉、鶏肉、豚肉それぞれの開発プラットフォームを持っており、植物性タンパク質のみで、本物の肉に近い味、食感、外見とジュージーさを実現でき、その植物肉は本物の肉よりもタンパク質の量が多いという。
さらに、同社は中国市場向けの改良をも行った。中華料理で多用される炒め物や煮込み、餃子のタネに対応できるように調整したという。
ビヨンド・ミートの中国展開は、スターバックスで販売される牛肉風味の商品からだった。これらの商品は59元〜69元(約900円〜約1000円)で販売されている。やや高めの価格だが、ビヨンド・ミートは2024年までに、少なくとも1種類の商品の価格を動物性タンパク質と同じレベルに下げることができるとしている。
スターバックスのほか、中国では、アリババ傘下の生鮮スーパー「盒馬(Hema Fresh)」、ケンタッキー・フライド・チキン、ピザハット、タコベルなどのチェーン店でビヨンド・ミートの商品が買える。フランスの乳製品会社の傘下にある食品販売会社「シノディス」とも、中国での代理販売について合意した。
技術力の他、ビヨンド・ミートはブランディングにも注力しており、2020年は全世界でマーケティングを強化する予定だとチャック・ムース氏は話す。
ビヨンド・ミートはまた、中国植物性食品産業連盟 (CPBFA)に加入しており、同連盟を通して中国の公共機関、政府機関、政策立案者に働きかけ、植物性食品の利点を広めていく予定である。
(翻訳:小六)
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