待ち時間にコーヒーもカラオケも IoTで変わった「セルフランドリー」

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セルフランドリーサービスを提供する「企鵝科技(Penguin Technology)」が、自動販売機大手の「友宝(Ubox)」から数億元(約数十億円)の戦略的投資を受けたことがわかった。ともにIoT設備と無人サービスを手掛ける両社が提携したことになる。企鵝科技はセルフランドリーと洗濯の待ち時間に利用できる各種サービスを、友宝は各種自動販売機を、提供することになる。最終的には、セルフランドリー、コーヒーマシーン、自動販売機、ミニカラオケボックスなどが一カ所に集約された施設を目指している。

2017年11月に設立された同社は、IoT設備の開発、販売、運営を手掛けている。現在最も普及しているのはセルフランドリーサービスであり、IoT洗濯機の販売や、既存設備のIoT化、そしてSaaSの形でのモバイル決済の提供を行っている。現在、登録会員数は1800万人以上で、体験期間の30日を過ぎたあとも80%以上が会員を継続している。設備の販売においては、2019年の注文が前年比で60%増えた。

画像は企鵝科技より

企鵝科技は以前にアリババ傘下の金融会社アント・グループから戦略的投資を受けたことがあり、その後アリペイのアプリでセルフランドリーの予約と決済が可能となった。このことにより、会員も店舗もより便利になり、安全性も高まったという。

現在の同社のサービスの一般的な使い方は以下の通りだ。アリペイで近くのセルフランドリーの場所と空き状況を確認し、空いていればアプリから予約することができる。決済は洗濯機に設置されたQRコードをスキャンして行う。

セルフランドリーの店舗向けには、「企鵝科技店舗プラットフォーム」があり、そこで自店舗の売上高、洗濯機の使用状況、不具合レポートなどを確認でき、現地に行かなくても簡単なメンテナンスを行えるようになっている。さらに、企鵞科技はIoTによって蓄積したデータも店舗に提供しており、適切な時期に経営戦略を調整することを提案している。

創業者である許光磊氏は、中国のセルフランドリー市場は洗濯機1000万台規模に上ると見ている。現在はまだ120万台前後しか稼働していないため、今後大きな成長が期待できるという。

セルフランドリーのほかにも、企鵝科技は洗濯の待ち時間を利用して使える各種設備のIoT化を進めたいとしている。現在取り組んでいるのは、大学生向けの給湯器、シャワーブース、ドライヤーなどである。こうした店舗を経営する事業者に対しても、実情に合わせた店舗運営の提案をしている。たとえば、IoTに対応していない古い機械でも、モジュール化された外部設備を取り付けることで、IoT設備として使用できるようにするなどの方法だ。

同社は昨年から、全国十数カ所で試験的に洗濯以外の各種サービスを提供する店舗を開設しており、洗濯利用者の約15~20%がほかのサービスも利用することがわかった。今後はこのモデルを進出済みの全国300都市で広めていく予定だ。

許光磊氏によると、同社のセルフランドリーは主に大学、集合住宅、工場、出稼ぎ労働者の宿舎、ホテル、介護施設、公衆浴場、病院の近くにあり、特に大学と集合住宅近くは利用者が多いという。大学だけで今後100億元(約1500億円)規模の市場に成長する可能性があり、集合住宅はそれ以上だ。

そのため、今後は上記地点での開店をさらに増やし、それぞれの特徴に合わせた洗濯以外のサービスを追加していきたいという。許氏は、3〜5年内に、「セルフランドリー+各種サービス」というモデルがより多くの利用者に受け入れられ、安定したビジネスモデルが形成できると見ている。(翻訳:小六)


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