生鮮食品プラットフォーム「食範」が1000万元の資金調達、オムニチャネルモデルでサプライチェーンの負担減を図る

生鮮食品サイト「食範」が今年1月にエンジェルラウンド融資によって1,000万元の資金調達を完了したことが伝えられた。投資家は深セン石頭実業合伙企業である。

「食範」が採用する、1A + 4B生鮮食品オムニチャネルモデルでは、倉庫一体型店舗を通してコールドチェーン輸送の事前コストの削減が可能となる。A店舗は商業地区と地域社会の密集地区が交わっている地点に位置し、面積の2/3は生鮮食品を販売し、残りの1/3では野菜の調理や加工を行い、その後B店に配送される。B店舗は地域社会密集地区に位置し、 3km以内のオンライン配送をカバーする。 5月には「食範」アプリによるサービスが始まった。

生鮮業の粗利益は高くないが、「食範」は半完成品食品を販売することで高い粗利益を実現している。グループからのデータによると、1店舗のSKUは約45であり、その内、半完成食品の売上高は30%を占める。顧客が毎週平均一回購入することで、1店舗の粗利益は20〜30%となる。

「食範」の半完成品食品のSKUの平均価格は20元で、出前の利用頻度の高い客単価と変わらず、主に3つのタイプに分類することができる。健康志向の一人暮らしの若年層、子供を持つ若年層家庭、および、栄養のバランスを気にする人々である。創業者の駱志為氏は、半完成食品の目的は初心者に料理を教えることなどではなく、消費者が、より健康的で簡単に料理をすることを手助けすることだと語った。そのため「食範」は料理動画専門チームを持ち、7品のおかず動画を5分以内に制作している。

今年5月には、中糧双創基地と36krが主催する「2018 COFCO大健康産業双創大会」に参加し、キャンペーン企業に選ばれた。駱氏は、現在開設している店舗を財務モデルとし、6ヶ月で収支バランスの均衡が可能な見通しであること、更に、来年は深センに1A + 4B店舗を6セット開店する計画であることを語った。

以下は、今年4月に報道した原文である。

理想は、毎日退勤後に自分で料理をすることであるが、買い物や調理が面倒で、未だ実現していない。

2017年に設立された「食範」は、都市部の25~40歳の人たちを対象に、新鮮な半完成食品を提供し、食材や調理工程を標準化することによって、帰宅後の料理のハードルを下げることを目的としている。

中国電子商務研究センターのデータによれば、中国における生鮮食品の市場規模は1兆元に近づいており、2017年の生鮮食品全体の電子商取引市場規模は約1,650億元になる。しかし、4000社以上の企業のうち利益をあげているのはわずか1%に過ぎず、88%の企業が赤字経営である。押しなべてサプライチェーンのコスト高に直面しており(多種多様な卸売業者の存在が粗利益の低さを招き、起業資金の少ない企業は卸売業者を介さず産地と直接取引することが出来ない。)また、付随するコールドチェーン物流システムの不完全等の問題があり、企業によって発展方式は様々である。

「食範」はまず、運営モデルを整理し、1A + 4Bのオフライン店舗を通して市場を切り拓いている。いわゆるA店舗は、店舗と倉庫機能を併せ持った約150㎡の店舗である。

川上の業者に向けて「食範」は、生鮮食品仕入センターで野菜を買い付け、それをA店舗で洗い、切り、加工し大袋の半完成食品に仕上げる。A店舗は同時に倉庫機能を併せ持ち、3キロ内にあるB店舗をカバーする。またA店舗は、消費者に野菜を販売する店舗も兼ねている。 B店舗は更に消費者に近い地域に位置し、「食範」のSKUによれば、A店舗のカット野菜は今後更に加工し、おかずに仕上げ包装し、Cサイドの消費者に提供するという。この段階では、「食範」はアプリを開発しておらず、主に第三者のプラットフォームによるオンライン注文・決済のやり取りを行う。その配送プロセスは「盒馬鮮生」に近い。

調理のハードルを下げるために、「食範」は次の2点を行っている。

・7人編成のチームで各料理のインストラクション動画を制作。動画の長さは約3分、消費者はコードをスキャンして視聴することが出来る。
・大小異なる標準スプーンを作り、中華料理を作る際の「少々」や「適量」などの表現を「スプーン」で表現する。 「やや熱い」「6分加熱」等の表現は、加熱時間によって表す。

生鮮食品は鮮度が大切であり、このことは食品ビジネスの損耗率の高さの重要な要素となっている。当日売り切れなかった食材を、「食範」は調理後に消費者への試食用として用いたり、肉類は餃子を作り冷蔵したり、主体的な消費に努めている。この業界のもう一つの特徴は、粗利益の低さである。豚肉の粗利益は約18%〜20%、野菜は約30%である。

創業者の駱志為氏は、野菜を半完成食品として梱包することにより、製品の付加価値を高め、粗利益の改善に繋げていると語った。

さらに、駱氏は同社の発展についての3つのステップを次のように述べている。

第一段階:半完成食品+動画+オフラインストアを通じてビジネスモデルを検証する。

第二段階:地域にブランドを設立し、オンラインアプリの開始、中央キッチンと流通センターを設置する。中央キッチンの設置は、オンラインSKUをオフラインストアよりも豊富にすることが可能となる。

第三段階:生産能力と中央キッチンを標準化し、企業競争力としていく。

現在、プロジェクトは始まったばかりで、3月中旬にA店舗1号店が開業、半完成食品と原材料の販売比率は1対1となっている。チームは約30人で構成されており、新商品の開発チームは4人である。1か月間で最大20種類の新商品(動画撮影を含む)を作り上げることが可能である。

36krは2014年に「青年菜君」などの関連ニュースを報道した。同社は当初、流通コストの低い、店舗受け取り方式を採用した。つまり、ユーザーは1日前に注文し、翌日の退勤時に地下鉄の駅周辺の「青年菜君」実店舗、或いは荷物ロッカーで受け取る方式である。しかし、今日の様々な出前サイトや生鮮食品ネット企業の運営モデルを見ても分かるように、消費を促すために配送サービスは不可欠なサービスであり、店舗受け取り方式で消費者を惹きつけ続けることは出来ない。同社は後に配送業務を開始したが、過去の配送方式に関してのユーザー評価が芳しいものではないことが分かる。 同社は2016年末に経営破綻を発表した。36krは以前にも資金調達リズムの観点から、この失敗の原因を報じたことがある。
生鮮食品の半製品は、以前にも多くの失敗事例があるにもかかわらず、市場規模は十分に巨大であり、需要が確立している。コールドチェーン、第三者配送が3年前と比較して更に成熟した今日において「食範」は半完成食品の新しいチャンスを引き寄せられるであろうか?

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