「宋小菜」Bラウンド2度目で1.8億元追加調達、サプライチェーン上流をデジタル&スケール化

36Krは、生鮮食品のBtoBネット通販「宋小菜」が本日、Bラウンド2度目の資金調達完了を宣言したとの情報をキャッチした。調達額は1.8億元(約29億円)。主な出資者はM31資本で、華蓋資本TMT基金、盛景嘉成基金も出資した。今年1月、宋小菜はBラウンドで2.3億元の資金調達を完了したばかりだ。

今回調達した資金は、主に野菜サプライチェーン上流のデジタル化とスケールアップのために用いられ、上流生産者に財務情報、リスク管理、倉庫管理、物流のスケジューリングなどを含む様々なサービスを提供する。

宋小菜が杭州で設立したのは2014年終わりのことだ。野菜市場の商人や中小規模の生鮮食品小売業者などをエンドユーザーとして野菜農産物を提供した。36Krはかつて宋小菜の商業モデルについて詳細に報道したことがある。その最大の特徴は、需要生産とは逆のサプライチェーンモデル(契約栽培)の採用だ。都市部の農産物取引市場「青果商」で売れ筋を調べ、市場の取引データをベースに見通しを立て、上流の野菜農家に需要に応じた生産を指導、これにより、野菜市場における需要供給情報のアンバランスを是正し、生産者が物を売りにくいという問題を解決した。

しかし、宋小菜は単なる情報仲立ちサイトなどではない。CEO(最高経営責任者)余玲兵氏は、野菜のサプライチェーンをオペレートしていく中で蓄積したオーダーやデータに頼る前に、物流、倉庫、データ、ファイナンスなどサプライチェーンに関連したサービスを開拓すると語った。

簡単に言うと、宋小菜は推進力となるオーダーとデータの準備をしている。サプライチェーンの水源から終端まですべてデジタル化してスケールアップし、野菜農家にどこでなら農産物が売れるのか、市場相場はどんなものかを理解させようとしているのだ。

過去3年間、宋小菜は注文と実際の取引データを得るため販売エリアに重点を置き、買い手、売り手、商品、価格、物流の五大データベースを構築、サプライチェーン下流にあったデータ不備を取り除き、取引データのクローズド・ループを作った。

生鮮食品BtoB電子商取引サイトとしてはメリットを還元したいのだから、余玲兵氏は上流へのリターンは必須であると考えている。すなわち生産者を一端として、サプライチェーン上流をも同様にデジタル化してスケールアップしてこそ、完ぺきなサプライチェーンパスを形成できるのだ。

上流側をもデジタル化してスケールアップするとは、聞こえは魅惑的だ。しかしながら、上流農家の生産経営はバラバラで無計画な状態が長く続いてきた。グループ主体が60代、70代、それ以上ということも問題を解決困難にしている。

宋小菜はサプライチェーン上流をどのようにデジタル化し、スケールアップするのだろうか

宋小菜はオーダーなどの市場データを用い、農家に目的ある計画的作付および農産物管理を指導している。中国農産物市場において長期供給過剰が続いている中、オーダーと伝統的なサプライチェーンを上回る利潤は、生産者をデジタル化に加わらせる原動力だ。

彼らの取引、オーダー、売上データは宋小菜のデータベースに蓄積され、農業生産のスケールアップと直結する資金問題解決のための条件を創出する。

周知の通り、銀行で融資を受けるにはまず不動産担保、さらに信用記録が必要なのだが、農家はどちらも持っていないことが多い。現行の金融システムには農村業態に合った評価モデルが不十分である。そもそもリスクを評価するのに必要な生データが欠如しているのである。

宋小菜が蓄積した実際の取引データは、正に農家の「売上高と信用の証明書」である。さらに、宋小菜で日々成熟していく価格データベースは、定価の付けがたい農産物価格の定量化を可能にした。これらを販売ルートに提供することにより、農産物は明確な査定物、たやすく抵当物になり得る物へと変化する。現下、宋小菜は10余りの銀行金融機関と金融サービス提携について交渉中だ。

宋小菜はなぜ多くの手間をかけてまでサプライチェーン全行程をデジタル化するのか?

1つの側面として当然、野菜を品質管理のできる商品とし、自身のブランドを創出できれば、電子商取引サイトとしての宋小菜の効率と利鞘が上がる。もう一方の側面として、余玲兵氏は、サプライチェーンの末端には本質的な変化は起こらないと考えている。サプライチェーンの能力を上げずに、新しい小売を論じることはできないのだ。

さらに、宋小菜は内部意思決定の拠り所となるデータで、逐次、業界用にツール化した製品開発を計画している。さらに外部資源、農業協同組合、農業家ブローカーなどコアとなるグループの導入を継続し、物流、倉庫保管、代理購入、サプライチェーン・ファイナンスなど、多様でパーソナライズしたサービスを提供、生鮮食品産業の生態圏を形成する。最終目標は、中国最大の「生鮮食品の骨幹となる流通ネットワーク」を構築することだ。

3年余りの経営を経て、宋小菜の上流は山東省、雲南省、甘粛省、内蒙古などの野菜10大コア産地をカバー、下流は北京、上海、広州、武漢、杭州など50都市近くに及び、今年中に80都市にまで広げる計画だ。 2017年、宋小菜は20万トン以上売り上げ、しかもいまだ倍増している。

情理にかなったロジックで半年以内に4億元を超える投資を得た宋小菜だが、発展する勢いを今も内在している。― 野菜BtoBビジネスの上流と下流で意欲的に打ち込んでくれるネット人材が足りていないのだ。

投資ロジックといえば、今ラウンドで主立って投資したM31の資本業務執行取締役 鄒迎怡氏は「中国には億万規模の生鮮市場があるが、農産物の生産組織と流通は非常に複雑かつ分散しており、サプライチェーン上にはイノベーションのための広大な余地がある。宋小菜は需要生産、産地直送モデルを通して、生産と販売の間の矛盾を解決できる」と話してくれた。

しかも、宋小菜の発起人の大多数はアリババの出身、かつ要職者で、ネット事業経験が豊富だ。余玲兵氏はタオバオで農業電子商取引をしていたし、タオバオ特色中国館の生みの親であり、最初の中国農産品電子ビジネス白書を出した人物でもある。

宋小菜は2015年1月にアリババの呉泳銘氏から3,000万元のエンジェル投資を受けている。2016年3月にはIDG資本を筆頭にユエンジン資本、普華資本から1.04億元のAラウンド投資を獲得した。2016年5月には経緯中国、IDG資本、銀泰資本が投資した8,515万元のA+ラウンド投資を勝ち取った。

聞くところによると、宋小菜は野菜ネット通販の上流下流に関心を持つ人材を募集している。詳細は採用サイトを参照。

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