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「美」を追い求めるニーズが美容市場を生む。コンサルティング会社「艾瑞市場諮詢(iResearch Consulting)」によると、2019年中国の美容医療市場の規模は20%成長して1769億元(約2兆8000億円)だった。
美容商品はライブコマースやショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、海外版は「 TikTok」)」などで広く宣伝されているが、的確な販売や健康管理には限界があるため、美のためのソリューションを医学の角度から提供し、ユーザーが正しく自分を知ったうえで合理的な購買意思決定ができるようなAIが求められている。
医療AIを手掛ける「体素科技(Voxel Cloud)」の製品は、AIアルゴリズムによってリアルタイムで顔の皮膚疾患の検査や肌質分析を行い、消費者に適切な製品を勧めるほか、ECプラットフォームによる販売効果の分析にも利用できる。
同製品は開発に2年を要したという。体素科技は「ソフトウェアが顔の情報を正確に識別した上でユーザーの肌質を分析できるよう、10万枚以上の皮膚の臨床画像、累計650万枚以上のユーザー自身が撮影した皮膚トラブルの写真、30万点以上の医療データを学習させた」と説明する。
具体的には、AIが肌年齢や肌質、肌色、敏感度などの情報に基づいて顔の肌状態を分析し、顔の炎症や色素に関する15種類の問題を識別する。また、その精度は専門医並みのレベルに達している。
体素科技は、AIによる肌テストは皮膚の問題をチェックするほか、商品の特徴を消費者に伝え、オンラインとオフラインをつなげる役割を果たすと強調する。
特筆すべきは、AIには的確なマーケティングができるという側面もあることだ。AI肌テストとビッグデータを活用することで正確なユーザープロフィールを生成し、効果的なマーケティングが行えるため、転換率の向上が実現できる。
体素科技はこのAIを基に企業向けのAPIプラットフォームを開発。顧客企業はAPIサービスを利用してECプラットフォームのデータをモニタリング・分析できる。
現在、WeChat(微信)のミニプログラムで消費者向けサービスを提供しているが、企業向けサービスの活用法は多様で、ネットショップのマーケティングツールに活用できるほか、オフラインではAIスマートミラーと合わせて自動販売機やポップアップストアに利用できるという。
2020年12月28日時点で、このサービスの利用回数は500万回を超えた。
現在、化粧品業界をリードする多くのブランドもAI分野を模索している。2020年4月、ロレアルは世界初のバーチャルメイクサービス「AIファンデーションアダプター」を発表した。
体素科技は今後、皮膚病も肌質も検査できるAI技術の強みを生かし、皮膚のアーカイブプラットフォームを構築する予定だ。
同社は「アーカイブプラットフォームが完成すれば、オンラインとオフラインの両方をアクセスの出入り口とできる。ライブコマースでは商品のマッチングテストツールに、WeChatのミニプログラムやアプリ、ネットショップに加えて実店舗でも肌テストに使用できる。医療分野では、皮膚疾患を抱えてオンライン医療やオフラインの医療機関・薬局を利用する消費者にサービスを提供できる」と説明している。(翻訳・二胡)
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