恒大との破談、ファラデーも発表。「売られたけんかは買う」
中国発の米EVメーカー、ファラデー・フューチャー(Faraday Future)は10月8日午後、「恒大はファラデーへの資金援助について約束を果たさず、それどころか、ファラデー中国とファラデーが所有する知的財産権の支配権と所有権を獲得しようともくろんでいる。さらに恒大は7日夜、ファラデー創業者の賈躍亭が恒大を追い出そうとしていると発表した。よって、ファラデーは恒大のけんかを買うことにした」と発表した。
関連記事:「中国のテスラ」ファラデー創業者御乱心? 恒大との協業破棄申し立て
ファラデーは米国でEV車開発に従事。「赤いテスラ」とももてはやされたが、資金難に陥り、不動産コングロマリット恒大集団の力を借りることで決着した。恒大とファラデーは2017年11月、恒大の子会社である恒大健康産業集団がファラデー・フューチャーの親会社の株式の45%を20億ドル(約2300億円)で買い取ることで合意。2018年に8億ドルを支払い、2020年までに残りの12億ドルを入金することになっていた。恒大は今年分の8億ドルを既に入金している。
恒大健康は7日夜、「恒大は賈躍亭氏が実質的に支配しているファラデーに8億ドルを提供したが、それをほぼ使い尽くし、さらに7億ドルを前倒しで支払うよう要求してきた。さらにファラデーは、恒大との合意内容の破棄を、香港国際仲裁センターに申し立てた」と突然発表。両者の関係悪化が表面化した。
両者の言い分をめぐっていは、2つの食い違いがある。ファラデー創業者の賈躍亭氏が、ファラデー取締役会を操作していたか否か。そして、ファラデーが主張する「恒大が資金提供の約束を守らなかった」ことの真偽だ。
ファラデーは8日、「恒大は最初に8億ドルを入金した後、2018年7月に自ら、さらに資金を提供すると提案し、協議書にサインした。協議では、2018年内に残り12億ドルのうち5億ドルを前倒しして支払うと取り決めた」と発表した。
一方、恒大側は「ファラデーは最初に提供した8億ドルを使い切り、さらに7億ドルの支払いの前倒しを要求してきた」と主張、両社の言い分は真っ向から対立する。
また、恒大は賈躍亭氏がファラデーの取締役会を操作したと訴える。「賈躍亭氏はSmart King(スマートキング、ファラデー・フューチャーの親会社)の取締役の多くに働きかけ、合意にも至っていない資金提供を恒大に要求した。さらに10月3日、香港国際仲裁センターに、恒大との合意事項の解除を申し立てた」と指摘。賈躍亭氏が恒大を経営から追い出そうとしていると示唆した。
ファラデー側は「賈躍亭が取締役会の操作を行った事実はない」と否定し、「恒大は最初に支払うと取り決めていた8億ドルは入金したが、それ以外に約束していた資金は支払わず、ファラデー中国とファラデー・フューチャーが所有する知的財産権を獲得しようとしている。また、恒大はファラデーが他の投資家から資金を調達するのを阻んだ」と主張した。
ファラデーは、合意事項解除を求める理由として、「恒大が一旦同意した資金提供を拒否したことが全て」としている。
現在、恒大は仲裁センターでの審判に向け、国際弁護士チームを組織したと表明。ファラデーは「ファラデーと価値観を同じにし、一緒に夢を実現する投資家を歓迎する」と、新たなスポンサーを探す構えだ。
(翻訳・浦上早苗)