原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
米ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー氏が最高経営責任者(CEO)退任時に全従業員宛てに送ったメールが最近話題となった。「企業が創業者の影響や指示を受けることなく自立することは非常に重要だ」というものだ。
ツイッターだけではない。ここ数年、名だたるIT企業の創業者が次々と表舞台から退いている。たとえば中国の巨大IT企業、アリババのCEOだった馬雲(ジャック・マー)氏は2013年に同職を退くことを表明し、2019年には会長職からも退任。同社CEOは張勇(ダニエル・チャン)氏に引き継がれた。ジャック・マー氏が興したフィンテック企業アント・グループ(螞蟻集団)のIPO計画も棚上げとなっている。
ジャック・マー氏が創業したアリババは2020年、時価総額4600億ドル(約53兆円)の企業になった。同氏はマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏と同様に慈善事業へ注力する準備を進めていた。2014年にジャック・マー氏は「馬雲公益基金会(Jack Ma Foundation)」を創設しているが、そのインスピレーションは「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」から得たものだったという。
2015年8月、グーグル創業者のラリー・ペイジ氏、セルゲイ・ブリン氏は同社の持ち株会社アルファベットを設立し、同社の経営に軸足を移した。グーグルのCEOにはサンダー・ピチャイ氏を任命した。ピチャイ氏は2019年にアルファベットのCEOにも就任している。
2018年9月、インスタグラム共同創業者のケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏はフェイスブック退社を発表した。米メディア「The Verge」は、フェイスブック(現Meta)創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏との間に重大な確執が存在していたと伝えている。
今年5月には動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国バイトダンス(字節跳動)の創業者、張一鳴氏がCEOを退任すると発表。共同創業者の梁汝波が同職を引き継くことになった。張氏は今後について「会社の長期戦略の立案と、企業文化、CSR(企業の社会的責任)関連の仕事に重点を置きたい」としている。張氏は社員宛てのメールの中で「創業前の考え方にとらわれすぎているように感じる。他の人が日常のマネジメント方法を変えるといったやり方で会社をより良い方向へ導いてくれるだろう」と記していた。
また、今年7月にはアマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏がCEOを退任し、後任にはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のCEOだったアンディ・ジャシー氏が就任した。ベゾス氏はアマゾン設立から退任まで一人で同社を率いて来た。同社は欧米のオンラインビジネスを主導する存在であるが、企業の独占行為を取り締まる各国の団体から批判の声が上がっていた。
多くの創業者がトップから退いたり、権力を分散させているのに対し、今年10月、社名を「Meta(メタ)」に変更したフェイスブックは一線を画す。CEOのザッカーバーグ氏は同社の実権を掌握しており、The Vergeの取材に対しても現職を退く考えはないと回答している。また、議決権の面から見て、株主が同氏に退任を迫ることはできないという。
作者:WeChat公式アカウント「智東西(ID: zhidxcom)」、程茜
(翻訳・Qiunai)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録