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マイカー・オーナーの三大ニーズ「給油」「洗車」「駐車場」のうち、「洗車」に着目して独自のサービスを立ち上げた中国企業がある。
2018年1月に設立された「河馬車服(hema chefu)」は、鄭州や北京、武漢など全国7都市で100カ所以上の無人洗車場を展開する。リゾート系不動産の碧桂園(COUNTRY GARDEN)やデベロッパー系不動産の万科集団(CHINA VANKE)など大手と組み、主に集合住宅の敷地内に洗車場を設けている。
1回10分で洗車が完了する24時間営業の洗車場は、月額38元(約600円)、年額298元(約4800円)で利用回数無制限で利用できる。洗車場はミニプログラムやアプリから検索できる。河馬車服CEOの楊景峰氏によると、立地を集合住宅に絞った理由は、安定した集客が見込めることや会員制の運営に適していることだという。治安面からも、損壊の被害に遭うリスクが低いと判断した。
同社は洗車サービスを入り口にして、自動車オーナーを対象とした総合サービスのプラットフォームを構築することを目論んでいる。
セルフサービスの洗車場は、利用者にとっては待ち時間が短く、利用単価も低く、営業時間に縛られないという利点がある。運営側にとっては、有人洗車場では運営コストの50~60%を占める人件費をカットできるのが利点だ。
河馬車服は全自動洗車機ではなく、セルフサービス方式を採っている。楊CEOによると、その理由は設備投資が少ない点に集約される。車1~1.5台分のコンパクトな占有スペースで営業でき、洗車設備も1万元(約16万円)ほどで購入できる。全自動の設備だと1台20万元(約320万円)以上はかかるという。また、集合住宅の敷地以外でも、ガソリンスタンドや駐車場など場所を選ばずに設置でき、高度な技術も必要としない。
セルフサービスの洗車場に対するクレームの多くは、洗車作業が面倒な点と、衣服や靴が濡れやすい点に集中する。前者に関して、河馬車服は、洗車設備の洗車ノズルに操作ボタンを設置して、全操作を片手で完結できる仕様にすることで解決。後者に関しては、洗車ノズルの精度を上げて、洗車に十分な水圧を維持しながらも水が飛び散らない仕様にしたこと、場内に厚さ5センチの網目状マットを敷いて、スムーズに排水できる仕様にしたことで解決した。
河馬車服の創業メンバーは全員、ソフトウェアエンジニアなどIT業界出身者。新規事業開発、施工管理、運用保守、顧客営業の機能を兼ね備えたIoT管理システムを開発して、立地条件に合致する集合住宅を選定したり、施工を立案したり、設備状態の監視を行ったりと運用を標準化して、低コストで大規模に展開していく。
現段階での主な収益源は洗車料。1カ所あたり1日平均12台の利用があり、設置コストは半年以内に回収できる計算だ。
同社の今年の目標は15都市2000カ所の設置。そのために、不動産会社以外にも駐車場管理会社やガソリンスタンド、タクシー配車サービス会社、修理店などと提携していく計画だ。1都市あたりの設置数が500カ所を超えた後は、「代理洗車」サービスにも着手するという。これらを実現するためには、3000万元(約4億8000万円)の投資を要する見込みだ。
(翻訳・愛玉)
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