没入型オンラインイベントサービス「有了Gotin」が資金調達、SaaSで手軽に利用

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双方向性の高いオンラインイベントプラットフォーム「有了Gotin」が、プレシリーズAで資金を調達した。「高瓴創投(GL Ventures)」がリード・インベスター、「和玉資本(MSA Capital)」、既存株主の「金沙江創投(GSR Ventures)」、「Picus」がコ・インベスター、「穆棉資本(MM Capital)」が単独でアドバイザーを務めた。これに先立ち、有了Gotinはエンジェルラウンドおよびエンジェルラウンド+で累計約1000万ドル(約11億5500万円)調達している。

有了Gotinは2020年設立。陳悦CEOは連続起業家で、ハーバードビジネススクールを休学して起業した。これまでにIT企業やカルチャー系メディア企業を設立したほか、大手コンサルのマッキンゼーや国連のアドバイザー、モバイル機器モトローラの中国地区のゼネラルマネージャーを務めた経験がある。

Gotinの製品形態はSaaSプラットフォームで、双方向型ライブ配信、フォーラム、1対1のビデオ通話、円卓会議(簡易版フォーラム)などのツールを提供する。主催者はプラットフォーム上にローコードで自由にオンライン会議のプロセスを設定できる。

大型展示会や没入型イベント向けの機能としては、主催者にバーチャル空間とバーチャルヒューマンを提供する。有了Gotinの3Dモデリングツールを使えば主催者は簡単に3Dの展示ホールやフリートークエリアを構築でき、参加者は没入感のある体験ができる。

イベントの開催前後に向けた機能としては、操作が簡単な会員管理(イベント出席者のデータをリスト化する機能)とデータ管理のプラットフォームも提供しており、主催者は次回以降のイベントに向け見込み客を囲い込める。有了Gotinも展示会の開催期間中は多次元データを収集してデータ分析レポートやAIによる意思決定案を作成し、きめ細やかな運営をサポートする。

オンライン展示会分野では、中国国内では2013年から展示会に特化する企業が現れたほか、企業のライブ配信を支援するサービスプロバイダーやテンセントのビデオ会議プラットフォーム「騰訊会議(Tencent Meeting)」などのツール型プロダクトも参入している。有了Gotinはどのような立ち位置なのだろうか。

陳CEOによると、展示会に特化した企業は大部分がイベント前後の業務からアプローチしているのに対し、有了Gotinはイベント中の体験をより重視している。コロナ後にはオンライン会議でもオフライン会議と同様の体験が一層重視されるとみて、付加価値のあるサービスを提供する予定だという。

今後はプロダクトのサービス向上と収益向上に引き続き注力する。プロダクト面は引き続き、既存のツールと3Dエディターを最適化してユーザー体験を向上させるほか、顧客が自身の事業に合わせて開発できるよう単独アプリやコミュニティのCRM(顧客関係管理)などのツールを発売する計画だ。

有了Gotinのプラットフォーム画面

有了Gotinは設立以来、企業のマーケティング、研修、ファッション関係の発表会など2000以上の会議やイベント、モバイル業界最大の見本市「モバイルワールドコングレス」、中国インターネット協会が主催する「2021中国インターネット大会」などの大型イベントをサポートし、国連、ファーウェイ、清華大学、ハーバード大学などの優良顧客にサービスを提供してきた。

同社は今後収益性の向上を急ぐ予定だ。陳CEOは「会議向けサービスには手堅い需要があるものの利用頻度は高くない。収益向上のためにはまず重要顧客と提携し、一緒に優れたサービスを練り上げていく」と話す。有了Gotinは主にSaaSサブスクリプションモデルを採用しており、顧客が契約するツールや会議の参加人数に応じて課金する。

(翻訳:36Kr Japan編集部)

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