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AI教育がますます注目を集めている。AIに教師の代わりができるのだろうか。また、教育業界にはどんな影響があるのだろうか。
教育分野のコンサルティング企業「博術(Borsure)」がオンライン教育商品運営フォーラムを開催した。フォーラムの中でオンライン英語教育プラットフォーム「朗播網(langlib.com)」創業者の杜昶旭氏がAI教育に関する見方を語った。
AIが教師に取って代わるという主張は間違っていると、杜昶旭氏は指摘する。技術というのは産業構造における特定の一部分を変革するものであり、従来は手作業で行っていた一部の仕事を肩代わりしてコストを大きく圧縮するものだという。
杜氏は次のような例を挙げる。「今では誰もが利用しているナビゲーションシステムだが、この技術がなかった頃は、人に道を聞いたり、ガイドを雇ったりして対応していた。ナビゲーションシステムという技術により、道に迷ったときの対処法は大きく変わった。だからといって人に道を聞くことが全くなくなったかというと、そうでもない。今でも人に道を尋ねることはあるわけだ。つまり、ナビゲーションシステムが従来の方法に完全に取って代わったのではなく、その役割の一部を担うようになったということだ」
では、AIは教育のどのような部分に関係してくるのだろうか。
杜氏がまず挙げるのは、教師としての価値を発揮する専門的な分野だ。全て手作業で行うとコストが跳ね上がるため、AI技術を活用して経費を抑えることができるという。
例えば、ある生徒にTOEFL対策の指導を行う場合、最も重要なのは授業そのものではない。授業の前に生徒と話し合い、これからの1カ月間にどのような課題を行うべきかという学習計画を立てることがより重要だと、杜氏は考える。
私たちが病院にかかるとき、重要なのはCTをとったり検査したりすることではなく、その結果をもとに医師が診断を下すことだ。医師が最も価値を発揮するのが、診断または見立てのプロセスであり、このゆえに私たちは経験豊富な医師を探す。
杜氏によれば、教師もこれと同じだという。教師として最も価値を発揮する仕事は学習計画の立案や構想である。このため、AI技術を活用したシステムを構築し、教師たちがそれぞれの生徒に合った指導を行えるようにサポートすることによってコスト削減を実現できるとのことだ。
さらにAI技術に代替できる別の分野として挙げたのは、標準化して反復作業が可能な仕事だ。実際、教師がやむを得ず行うものの、コストパフォーマンスの低い仕事は少なくない。
杜氏は自身の経験を引き合いに出し、英語を教える上で最も頭が痛いのが英作文の添削だと語る。生徒は切実に必要としているが、教師にとっては骨が折れる割に全くお金にならない作業なのだ。このような分野はAI技術を活用して解決すべきだという。
この二つの分野でAIを活用すれば、教育業界全体の構造やコストは大きく変化すると、杜氏はみている。
(翻訳・畠中裕子)
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