インフルエンサーを活用するアリババの越境ECモール 日本製フライパンを1分間で4000個販売

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インフルエンサーのライブ配信を活用する中国越境EC 日本製フライパンを1分間で4000個販売

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8月8日、中国最大級の越境ECモール「天猫国際(Tmall Global)」が正式に「海外専属店」をオープンさせた。芸能人やインフルエンサーが商品購入を促すコンテンツの作成や広告宣伝を担当し、天猫国際がショッピングプラットフォームの提供と商品の選択、調達、保管、輸送、在庫管理、アフター/ビフォーサービス等店舗運営業務を行うという仕組みである。

この日に同時オープンした女優の景甜(ジン・ティエン)やアナウンサーの李湘(リー・シャン)の海外専属店では、夜に2回のライブ配信が行われた。翌9日午前10時までに、2人の専属店のファン数はそれぞれ15,128人と1,395人に達した。また、最も多く売れた商品は、それぞれ、BeurerのLEDメイクアップミラー(44個)と、Real Techniquesのメイク用スポンジ(5個)であった。

従来のライブ配信によるプロモーションでは、インフルエンサーが企業の商品を薦めることで、その企業からコミッションを受け取るのが一般的だった。しかし、天猫国際と有名人が共同で代理販売を行う海外専属店では、インフルエンサーが主体となって販売促進活動に関わることができる。

アクセス数を増加させるために天猫国際がインフルエンサーの力を借りるのは、これが初めてではない。今年のEC大規模イベント「618セール」で早くも海外専属店のテスト運営を開始し、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーの代表格、李佳琦(Austin)の海外専属店をオープンさせた。セール当日の目玉商品は柳宗理の日本製フライパンで、「口紅王子」として知られるAustinがライブ配信を始めると、開始5分でファン数は約4万人に達し、1分間で4000個ものフライパンを販売した。

中国第2位のECモールである天猫国際は、競争優位性を保つため、今年3月、今後5年以内に120以上の国や地域から商品を輸入し、扱う品目数を今の4000から8000超に増やすと発表した。この目標を達成するためには、爆発的ヒット商品を生み、集客力を高めてGMV(取扱高)を上げる必要がある。有名女優ファン・ビンビンがSNS型ECアプリ「小紅書(RED)」で紹介した商品が大ヒットしたように、有名人には爆発的人気を生む力がある。

ブランドにとっても、特定のプラットフォームでヒット商品が生まれれば、中国市場を切り拓くきっかけになる。例えばハンガリー発のスキンケアブランド「Omorovicza(オモロヴィッツァ)」は、Austinの海外専属店でライブ配信された際、3分間でブランド旗艦店の半年分を売り上げたという。海外専属店が重要なチャネルの一つであることが証明されたと言える。

とはいえ、天猫国際の海外専属店にも不安材料がないわけではない。KOLを使ったプロモーションは過去に問題が起きており、ECモールとKOLが共同で代理販売を行うという仕組みは、KOLの過度な表現や不適切な表示によりブランドイメージの低下を招く危険性もある。
(翻訳・桃紅柳緑)

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