巨額赤字の中国・恒大汽車に救世主か、ドバイのEV企業が約730億円出資

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経営再建中の中国不動産大手、恒大集団(Evergrande Group)傘下の電気自動車(EV)メーカー「恒大新能源汽車(Evergrande New Energy Auto)」(以下、恒大汽車)は、生産停止や販売不振に陥り、数兆円の赤字に苦しんでいる。その恒大汽車に、救世主が現れた。

恒大汽車は8月14日、アラブ首長国連邦(UAE)のEVメーカー「NWTN」から約5億ドル(約725億円)の戦略的出資を受けると発表した。このほか、つなぎ資金6億元(約120億円)が、発表の5営業日後から3回に分けて振り込まれるという。調達した資金は全て、同社が開発したEVの量産に充てられる。

NWTNによると、出資は2023年10~12月期に完了する予定だが、その前提として、恒大集団の債務再編や、恒大汽車の債権者による債務返済計画の確認のほか、関連する規制当局および株主の承認などの条件を満たす必要があるという。

経営再建中の中国恒大、傘下のEV会社が2年で約1兆6500億円の赤字 生産わずか1000台強

また、NWTNは今後、恒大汽車の海外市場開拓を支援し、同社が生産するEV「恒馳」の中東市場向け輸出を年間3万~5万台とすることを目指す。

NWTNは、EVのほか太陽光発電などのクリーンエネルギーソリューションを提供する企業で、ドバイに本社を置き、アブダビに自動車の組み立て工場を持っている。22年11月には、特別買収目的会社(SPAC)の「EastStone Acquisition」と合併し、米ナスダック市場に上場。UAEの新エネルギー企業としては、初の米国上場を果たした。

実は、同社の前身となったのは中国天津市のEV企業「ICONIQ(艾康尼克)」で、その創業者・呉楠(Alan Wu)氏がNWTNを設立し、会長兼CEOを務めている。NWTNの決算報告書によると、20~22年の売上高はゼロで、営業損益は20年が1090万ドル(約15億8000万円)、21年が1077万ドル(約15億6000万円)、22年が4045万ドル(約58億6000万円)の赤字となっている。

*2023年8月15日のレート(1ドル=約145円、1元=約20円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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